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ハイレゾオーディオや可聴上限周波数などについて

★ハイレゾオーディオとは

 今、世間で話題になっている『ハイレゾ』とそれに関連する問題点などについて述べます。ハイレゾとは ”High Resolution” の略称で、『高分解能』という意味です。すなわち、従来の音源で最もポピュラーであるCDの音は、サンプリング周波数(別名:サンプリングレート)が44.1kHz量子化ビット数16ビットですが、それ以上の性能を有する音源を用いた最近ブームになってきたハイテク音楽がハイレゾ音楽で、CDに比べて格段に原音に忠実な音の表現が可能とされています。そして通常は、インターネットでその音源を購入します。しかし、性能的にそれに該当するCDよりずっと高性能で後発のSACD(Super Audio CD)やDVDオーディオ、さらにブルーレイオーディオディスクなどは含まないようです。CDよりもずっと高性能ということで話題になり今や消え去ろうとしているDVDオーディオと、同様に高性能であるブルーレイオーディオのディスクの実例を次に示します。

DVDオーディオディスクの例:
『This is DVD-Audio 2004』192KHz/24bit
ブルーレイディスクの例:『Karajan, Berliner Philharmoniker, Beethoven Symphony No.9, 』96KHz/24bit (Made in Germany) 定価3500円

 ハイレゾオーディオでは、インターネットで配信会社から直接自分のパソコンに音源をダウンロードします(有料)。それを聴く時は、後述のDAC(Digital to Analog Converter)でデジタル信号をアナログの音声信号に変換してからアンプで増幅して聴きます。ちなみに、サンプリング周波数が44.1kHzとは、1秒間に44100回のスピードでアナログ波形をサンプリングしてデジタル化することであり(アナログ波形の縦方向切り)、量子化ビット数が16ビットとは、16ビット、すなわち16ビットの精度(2の16乗ステップ)でアナログ波形を読み取ってデジタル化するということ(アナログ波形の横方向切り)です。たとえば、ハイレゾでは192kHz、24ビットは普通の分解能ですが、CDと比較すると、サンプリング周波数では192÷44.1=4.35倍、量子化ビットでは224÷216 =256倍なので、両者を掛け合わせると1113.6となり、CDの音よりも約1114倍もキメ細かい音がハイレゾでは再生できて原音により近いということになります。この数値のようにハイレゾはCDの1114倍も改善されているとは思えませんが、多くのハイレゾの音を聴いた結果、確かにハイレゾの音はCDよりも良いことは、中高年の耳でも実感できます。
 ハイレゾ音源をデジタルデーターとしてインターネットで購入し、処理をしたりするのにパソコンを活用するので、『ハイレゾオーディオ』は、『PCオーディオ』とも呼ばれており、パソコン抜きではやれません。iPad Air単体でやろうとして、色々とトライしてみましたが、システム(OS)の関係などで、現時点ではハイレゾ音源を直接iPad Airにダウンロードすることができず、いったんパソコンにダウンロードしてからiTunesでiPad Airに転送しないといけないようです。しかもFLAC(Free Lossless Audio Codec)形式のファイルを処理するソフトを入れて、その形式の音楽ファイルのみのハイレゾ再生となります。今後は、もっと拡張されることでしょうが、そもそもiPad Airなどは、私のようなマニアックな人間に言わせると、本格的なオーディオ用には設計されておりません。iPadなどは、贅肉や端子などを極限まで削って、不便になってもいいから、とにかく小型でかっこよくすることに意味があるようで、持ち歩く時の荷物にはならなくていいのですが、最新のモデルに組み込まれているLightningコネクター部分は、充電用のみならず外部機器との情報交換にも使用するものですが華奢すぎであり、ハイレゾをする場合でもこのコネクターを利用します。ここに接続するケーブルは、アップル社の純正品の名称は “USB Camera Adapter” となっており、よく知らない人がそれを読んだら、カメラ専用のものだと勘違いすることでしょう。これはカメラに限らず、普通のパソコンのUSBケーブルのように多目的に使えるのですが、次の写真に示すように、幅がわずか6mmしかなく、そんなとても狭い部分に8本もの非常に細い端子が両面に付いていますので、これを見ただけで、ハイレゾのような高性能な本格的なオーディオには全く適していないコネクターだと言えます。とにかく電気的接点の面積が狭すぎますし、耐久性も心配です。コネクター自身としては、内蔵されているイヤホン用のミニプラグの方がレベルは上だと思います。ただし、無線で送受信する場合は、Lightningコネクターの非常に華奢な形状は関係ありませんが。参考までに本格的なプロの世界のオーディオ用のコネクターであるXLR(キャノン)コネクターを比較のために並べて撮影した写真を示します。このコネクターは、アマチュア用ではなく、業務用なので大きくてとても頑丈ですし、機器に一端接続したら、ロックが掛り、ロック解除ボタンを押さない限り、いくらひっぱっても抜けませんので信頼性・安心感は抜群で、さすが業務用です!

音楽関係の業務用のXLR(キャノン)コネクター
(手前の上側の小突起がロック解除ボタン)
アップル社の
”Lightning to USB Camera Adapter”
(華奢すぎてハイレゾやハイレベルオーディオにはとても向かないような形状)

★ Harry Nyquistの定理

 デジタル音源では、Harry Nyquist(ハリー・ナイキスト: スウェーデンの物理学者)の定理にあるように、サンプリング周波数の半分までの周波数しか再生できず、CDはサンプリング周波数が44.1kHzなので22kHzまでしか再生できないのですが、現実には20kHz以上の音は人間の耳に聞こえないから必要ないとのことで、CDの規格として当初に決めて20kHz以上を完全にカットしてあり、どのCDにも20kHz以上の音は全く入っておりません。ハイレゾの実例では、サンプリング周波数が196kHzもあり、98kHzまで再生できるはずですが、イルカなどの特別な動物を除き、そんな超高音を聞き取れる成人はいないのです。ただし、測定結果を後に示しますが、なぜか10歳くらいの子供なら、それに近い超高音も聞こえます。


★ 『サンプリング周波数』と『量子化ビット数』

 デジタル音楽の『サンプリング周波数』と『量子化ビット数』とは、わかりやすく言えば、アナログの音波波形を、デジタル化するために、それぞれ『縦方向に分解』したものと『横方向に分解』したものであり、概念としては、ちょうどデジカメの解像度を表わす横XXXXドット×縦XXXXドットに類似しています。音楽でも写真でも、これらの数値が大きいほど原音や原風景に近いものとなりますが、人間の識別能力をはるかに超えるほどまで、その数値を極端に大きくしても無駄です。ただし、音楽は時間の芸術であり、連続して次々と色んな音が流れてくるので、ひどい音が連続してない限り、時々クオリティの低い部分があっても目立ちませんし、普通の音楽には何万ヘルツもの超高音が頻繁にあるわけでもありません。ただし、超高音の倍音がかすかに入っていることはあるでしょうが、さらに音を聞き分ける能力は、人によって実に大きな差がありますので、場合によっては、ハイレゾはオーバースペックのこともあるでしょう。それに反して、スチル写真では、原風景と比べて写真の再現性がどうであるかは、一目瞭然であり、キメの細かさや色再現性などが、パッと一目見ただけで誰でもすぐにわかります。ただし、動画だとわかりにくいですが、それにポーズをかけて一時停止にすると、写真としてのクオリティは低すぎて、とても見られたものでないのは、皆さん経験あると思います。画像が動画として動いていると、アラがわかりにくいのです。音楽も時間的に流れているので、それに近いことがあります。ただし、音楽でも、一時停止して、ある瞬間の周波数分布や波形を測定器や音波解析ソフトで観察することは可能です。


★ ハイレゾオーディオの長所

 その主な長所は以下のようです:自宅に居ながらにして、インターネットで世界中から音源が迅速・簡単に入手できる(会員登録が必要で音源のダウンロードは有料)。インターネットショッピングでCDを購入するのと違って送料は不要。ただし、CD1枚分くらいの長さの音楽でも、高解像度音源でファイルサイズが大きいために、CD1枚分で2~5GBくらいあり、ダウンロードするのに20~30分くらいかかるのは短所。配信元に在庫切れということはあり得ない。パソコンや外付け大容量ハードディスクに大量に保存でき(メモリ容量さえ十分あれば、いくらでも)、大量の曲があっても、保管場所をとらないし、廃棄することがあってもゴミは全く何も出ないのでとてもエコ。しかも音源を管理するソフトで系統的に分類しておけば、無数にある曲の中から目的のものがすぐに出して聴ける。さらにそれに付属している関連の画像があれば、すぐに出せるので、その音楽を聞きながらそれを見ることができる。これらのことは、まさに昔からある本の形態の辞書と電子辞書の関係によく似ている。何回聴いても、長年保存したままでもデジタルなので劣化しない。動く部分が無いので、故障しにくい。ただし、ハードディスクに保存している場合は別。
 今後の音楽の形態は、このようなものになるかと思います。今やレコード屋は、大きな都市にごくわずか残存するのみとなり、さらにCD屋も閉鎖が続出しており、いずれは物(ぶつ)としてのCDはほとんどなくなり、インターネットによるデジタルデーター音源のダウンロード方式に移行することでしょう。


★ ハイレゾオーディオとパソコン

今、ブームになってきているハイレゾオーディオは、パソコンが必須なので、パソコンが全くやれないと無理です。すなわち、ハイレゾ音源をインターネットで購入するのにまず必要です。当初から活発にやっているハイレゾ音源配信サイトとして有名なものの一例としてe-onkyo musicがあります。ディスク(DVDフォーマットであるが、そこに入っている音源は圧縮して記録されているのでDVDプレイヤーでは再生できない)で提供される場合にも、パソコンでその中の音楽データーを、まずハードディスクにコピーして、再生ソフト(各種ある)を立ち上げないと聴くことができません。ディスクで市販されているハイレゾ音源の実例を次に示します。都会の大きな店には、このようなハイレゾ音源ディスクのコーナーがあります。その一例を次に示します。さらに、そこで購入したハイレゾ盤の実例も2種類だけ示します。

大阪・日本橋の大型ディスク店のハイレゾディスクコーナー
(下の2段で、1枚5千円くらい)とブルーレイディスクコーナー(ハイレゾ盤の上の段)

ベートーヴェン/交響曲第6番《田園》・《エグモント》序曲(購入価格5250円)
左側の白いディスクはSACD CDで、右側の黒いディスクはハイレゾ盤
MOZART PIANOCONCERTOS No.21 in C major, K.467 & No.24 in C minor, K.491のハイレゾ盤 (176.4 kHz/24 bit, Made in USA: 購入価格5040円 )

 ハイレゾ再生用のソフトとしては、hoobar2000は、Windowsに向くものとして最もよく使われているようです。もちろんパソコンの音楽データーをDACに取り込むためのドライバーソフト(DACの機器ごとに固有のドライバーソフトが必要)をあらかじめ、それぞれのDACのメーカーのホームページからダウンロードしてパソコンにインストールし、設定をしておく必要があります。パソコンが苦手な人には、少し面倒かもわかりません。しかし、悪戦苦闘・苦労した末に、うまく音が出た時の感激は最高で、それまでの苦労が大きいほど、喜びも大きいのです。チャレンジ精神や闘争心が沸き立ち、さらにやり遂げるまで決してあきらめないという忍耐力も養われますので、パソコンで高度なことをするのは、とてもよいことだと思います。高齢者には『ボケ防止』にも効果があることでしょう。それに反して今までのCDなら、いとも簡単で、CDをCDプレイヤーにセットして、プレイボタンを押すだけで誰でも簡単に音楽がすぐに聴けますが、ハイレゾ音楽は、そう簡単には聴けません。特にやり始めの最初は。
 デジタルデーターの処理に必要な基準周波数を発生させるベストなものは、パソコンに内蔵の水晶振動子ではなくて、外付けのDACに内蔵のものです。これを使えば、パソコンで問題のジッターノイズが防止できます。私が以前に研究に使っていた特注の金の水晶振動子本体(中身)の写真を参考までに次に示します。まだ大量にあります。


6MHzの基準周波数を発生させる水晶振動子(特注の金製品で同一物を2個並べた写真)


★今や何でも短小軽薄の時代

 現在は、住宅事情や環境保全のことなどもあり、短小軽薄・エコ・省エネ・省資源・不動メカ(メカに動く部分がない)の時代なので、ハイレゾ音楽は、まさにそれにぴったりです。ハイレゾ用の最近のアンプは、普通はクラスDなので超小型になり、消費電力もごくわずかです。以前のマニアックなクラスA形式のアンプは、プッシュプルでないので音は非常に良いのですが消費電力がかなり大きく、とても熱くなります。参考までに、これ以上は小さくできないというDACの回路も入っているクラスDアンプの本体の実例写真を後ほど示します。主要部分がIC化されており、わずかそのサイズでステレオアンプであり、出力は10W+10W(8Ω)ありますが、消費電力は非常にわずかです。まさにハイレゾは、これからの時代にふさわしいものです。私がずっと以前にイギリスのタンノイの大型スピーカーを購入した時は、代理店の人と運送屋が運んで来てくれてセッティングしてくれましたが、とても大きくて重いので、一旦セットしたら1人では全く動かせません。しかし、ハイレゾ用と称している最近のスピーカーは、短小軽薄の時代にふさわしく、やろうと思えば片手の手の平に乗せて持てます。小型でも、従来の同サイズのものより低音が出るように工夫されていますが、大型スピーカーを聴き慣れた人には、やはり低音が物足りません。もっとゆったりと伸び伸びとした低音が出ないといけません。ハイレゾは、現実には高音よりも、むしろ低音の再生の方が問題のようです。


★入力側の問題点

 再生音楽では、音の取り入れ口であるマイクと、聴くための最終段階である耳(聴力)が一番問題であり、最初と最後が超ローレゾなので中間を過度に高性能にしても無駄なのです。全システム中で最も低いレベルの部分(装置と人間の聴力)によって規定される音になってしまうからです。マイクはハイレゾの時代に合わせて、今後はもっと高性能になるでしょうが、後述のような加齢に伴う人間の聴力の低下は、老化による自然現象なので現在の医学では、どうすることもできません。耳の老化防止策を考えないといけません。
 入力側の問題点として、マイクで生録する場合は、マイクの性能に大きな問題があります。すなわち、2万ヘルツ以上の音を拾えるマイクが一般にはないのです。しかし、成人では2万ヘルツ以上の音なんてどうせ聞こえないから、それで構わないのだという考え方もありますが、必ずしもそうではありません。生演奏の音をマイクで収録した場合は、演奏会場の雰囲気を出すのに関係すると言われている倍音成分の2万ヘルツ以上の高音は、最初から全く拾われていませんので、それ以降の装置を、いくら高性能なものにしても原音を忠実にそのまま再生することは不可能です。ただし、マイクを通さない電子音楽や特にFunction Generatorからの出力信号(正弦波、矩形波、のこぎり波)なら、いくらでも高音が出せますし、それを再生することは可能です。私がオーディオの研究によく使っているFunction Generatorの写真を下に示します。アンプは、安価なものでも何万ヘルツというようなかなりの高音でも問題なく増幅できますので、中間に位置するアンプ側には何ら問題はありません。やはり入り口と出口が問題なのです。

超高周波まで任意の周波数の信号を発生させることのできるFunction Generator
(人間の可聴周波数上限のたとえ千倍の周波数でも発生可能)


★出力側の問題点

 出力側の問題点は、安価な小型スピーカーでは、伸び伸びとしたクリアな低音は、とても出ません。自然でゆったりとした低音を出そうとすると、どうしても大きなスピーカーが必要になります。小型スピーカーでも、さらにスーパーウーファーやサブウーファーの追加で、低音を補足することはできます。なぜか販売店で展示されているハイレゾ音楽のモデルシステムは、いずれも次の写真に示すようなミニコンポ形式であり、最近の小型スピーカーは高性能になっているとはいえ、問題はスピーカーがかなり小さいことです。

大阪・梅田の大型店のハイレゾコーナーに展示されているハイレゾシステムの一例

 これでは特に伸び伸びした低音の良い音は、とても望めません。低音は音の重厚感などを出すのに非常に重要なのに、これでは片手落ちです。かなりの高音の再生には、最近の高音対応の小型スピーカーで大丈夫です。もっとも、それまでスマホに入れた音源を安価なイヤホン(百均のとか)で聴いていただけの若者などであれば、ミニコンポ形式のハイレゾシステムの音をスピーカーから聴いただけでも、きっと素晴らしい音だと思うことでしょう。現代の若者は、ほとんどがイヤホンで大きな音で音楽を聴いていますが、それを長年続けていると、高音域の聴力低下の加速や脳に何らかの異常が起こる心配があります。ステレオ音楽が正しく定位しないこともあり、私は研究用以外には、基本的にイヤホンやヘッドホンは使いませんが、100円のものから10万円くらいのものまで、一応は各種持っており、自分自身や若者で比較試聴したこともあります。やはり差は歴然です。
 逆に次に書いたような人ならば、ミニコンポ形式のハイレゾの音なんて大したことないと思うことは間違いありません。それはハイレゾ音源自体が悪いのではなくて、ミニコンポ形式のハイレゾシステムに組み込まれたスピーカーが悪いのです。中高年でも低音はよく聞こえますので、どこまで高音が出るかよりも、どこまで低音が出ているかの方が現実には重要なのかもわかりません。ますます『軽薄短小』化が進行している現代においては、これは仕方ないことですが、やはり本格的な趣味・道楽のマニアックなハイレベルオーディオの世界では、ダウンサイジングの必要はどこにもなくて『重厚長大』でよく、たとえば、レコードを乗せて回すターンテーブルは、レコード全盛の時代に比べてますます重くなってきており、最近では、何十キログラムもある金属の塊のようなものも新発売されており、『ハイレゾなんて糞食らえ!』という感じです。後に紹介するオーディオ用の各種ケーブルでも、高性能・高級なものは『重厚長大』でかなり太いです。さらに、ハイレゾにはパソコンが必須というのが高級オーディオにはミスマッチで、パソコンとは異次元の世界です。


★かなりのオーディオ装置をすでに持っている場合のハイレゾへの参入法

 すでに従来からのオーディオ用に非常にハイクラスのシステムを持っていて、ハイレゾも最高の音で聴きたいというのであれば、ハイレゾのセット(ミニコンポ形式のもの)は買わずに、DACだけ高性能なのを買って、それとパソコンを接続し、さらに従来からのハイレベルシステムの一員のアンプの入力にDACからの出力信号を入れて聴くことです。このような組み合わせなら、本当に素晴らしい音が出ます。私は、16~120,000Hzの超広帯域の音を再生できるシステムを、ずっと以前から使用していて、色々な音の研究もしており、今やハイレゾ音楽もそのシステムで聴いたりしております。それに組み込んであるスーパーウーファーは、楽器で最も低い音が出るパイプオルガンの一番低い音と同じ超低音(サブソニック領域)の16Hzまで再生できますし、スーパーツイーターは極超高音(スーパーソニック領域)の120,000Hzまで再生できますので、超広帯域の音源を聴くのに最適です。それらについては、私のホームページの別項の『オーディオと音楽について』に掲載してありますので、参照して下さい。そのシステムで超低音を聞きますと、雷が鳴っているかのように思うとか、地震が来たかのような揺れを感じます。また、自宅で受信できるテレビ放送の中で時々出て来る『奈良白鳳カンツリークラブ』の宣伝の中の低音は、普通のテレビ受像機で見て聞いているだけなら普通の音ですが、上記のシステムにテレビ音声を入力して聞くと、床が揺れているような感じがするくらいの、ものすごい迫力の低音が出ます。その他の宣伝の中にも、すごい低音のものがいくつかあり、宣伝内容よりも音の点で非常に興味があります。


★人間の耳の可聴周波数帯域

 なぜか昔から、人間の耳の可聴周波数帯域は20~20,000Hzであると、あらゆるところに画一的に全く同じこの数値が書いてありますが、そもそも誰がこんなことを言い出したのでしょうか?! この数値は下限も上限も明らかに間違いであり、特に上限の周波数は、人によって実にまちまちで、もっと下や、もっとはるかに上の場合もあります。そして一般に加齢に伴って可聴上限周波数は低下し、40歳を超えたら、2万ヘルツまで聞こえる人は皆無です。多くの人はせいぜい1万5千ヘルツ程度までしか聞こえません。しかも非常に音圧を上げても聞こえません。実際にこの測定の時に、すぐ近くに待機していた子供は、数万ヘルツの音でも、うるさくて耳が痛いと言って両手で耳を塞いでいましたが、中高年は全く聞こえなくて、何の反応もありませんでした。聴力の老若の差は、本当に恐ろしいです。皆さんもこの測定現場を見られたら、きっとびっくりされることでしょうし、特に音にうるさいオーディオマニアが自分の耳の可聴上限周波数を知ったら、がっくり落胆されることは間違いありません。自分の聴力に問題があってどうせ聞こえないのに、この装置は高音の伸びが足らないとか、安価なシステムなのに高級ケーブルに変えると音が激変するなどと、音のことに対して小うるさいことを言っている中高年のオーディオマニアが、世の中に多数いますが、ブラインドテストをしてみて下さい。
 オーディオで何よりも一番問題なのは、やはり音楽を聞く人間の耳の可聴周波数上限です。誰でも加齢と共に聞こえる高音域が次第に低下します。人間ドックでも聴力の簡単な測定項目はありますが、普通の検査装置では8千ヘルツ程度までしかやれません。それを調べる『オージオメータ』の例として私が研究に使っているものを次に示します。この装置は新JIS適合品で、周波数としては500, 1000, 2000, 4000, 8000Hzのみの周波数の音しか検査できませんが、その時の音圧は0~70dBまで変えられます。1万ヘルツ以上のような超高音の検査は、この種のオージオメータではやれません。日常生活では必要ないからかと思います。

新JIS規格適合の『オージオメータ』(500~8000Hzのみの測定)と
5~110,000Hzの音が再生可能な超高性能ヘッドホン

今やiPadなどのアプリにも簡単に聴力検査のできるものがあり、たとえば次に示す『年齢テスト ― 聴力テスト』がそれです。ただし、イヤホンは2万ヘルツ以上が余裕で再生できるものを使わないといけません。


iPad Air Wi-Fi 128 Modelに聴力テストのアプリ『年齢テスト ― 聴力テスト』
をダウンロードして実験しているところ

 このアプリでは、オーディオメータより上の8KHzから22KHzまでの連続した周波数のテストが可能で、画面中央下部に表示されている周波数ダイヤルを指でタッチして右回りに回して周波数を上げていき、その時の音の波形も表示されますが、ピーという音が聞こえなくなったところの周波数を読み取ります。しかし、超高音になりますと耳鳴りとの区別がつきにくいです。この写真の実例では、15KHzが可聴周波数の上限で、耳年齢は25歳以下と表示されていますが、この耳年齢の表示内容は怪しいです。なぜか全般に10歳くらい若く表示されます。このようなテストをする場合は、耳が悪いのかイヤホンが悪いのかの区別がつきませんので、22KHz以上までもフラットに再生できるものを使用しないといけません。ちなみに今回使ったイヤホンの再生周波数帯域は15Hz~24KHzで、値段は普通の品の10倍くらいします。このシステムで、試しに20~70歳の成人男女53人(男26人、女27人)で2014年3月に実測した結果を次に示します。やはり加齢とともに可聴上限周波数は、個人差によるばらつきはあるものの、大まかに言えば、ほぼ直線的に低下しています。その関係は、周波数をy(KHz)、年齢をx(歳)として最小二乗法で相関の式を求めると、
y=‐0.1352x + 20.689 (R2=0.7563)となります。

20歳  →  18.0KHz 
30歳 16.6KHz
40歳  15.3KHz
50歳  13.9KHz
60歳  12.6KHz 
70歳  11.2KHz 

 この式から、20歳から10歳ごとの年齢と可聴上限周波数の関係を計算すると次のようになります。これらの数値は、あくまでも標準的なものであり、実際には同じ年齢でも個々人によって、かなりの差があります。




 自称オーディオマニアと言っている人でも、自分の可聴周波数範囲の上限を知ったら、かなりのショックを受けると思います。たとえば1万5千ヘルツですら全く聞こえないという実例は、いくらでもあります。ただし、上記とは全く別の機会の私の実測結果によれば、下の図に示すように、10歳くらいの子供では、なぜか8万ヘルツでも軽く聞こえる例が多いのに対して、その後は20歳までに非常に低下し、高齢者になると、かなり音圧を上げても1万ヘルツでも聞こえない場合があるのですが、日常生活には支障ありません。例えば人の声は、普通に話している時は、おおまかに言えば男声は300~600Hz、女声は400~700Hz程度ですので、たとえ加齢で高音域が聞こえなくなっても、人との会話には何ら支障はありません。またNHKラジオの時報の音は、『プッ、プッ、プッ、プーン』という音ですが、最初の3音は440Hzで、最後の音は880Hzなのです。この最後の音は、かなり高音に思えますが、それでもわずか880Hzしかないのです。これで、8千ヘルツや2万ヘルツは、いかに高音であるかが理解できるでしょう。
 加齢に伴って高音域が次第に聞き取りにくくなる現象を『高音性難聴』とか『老人性難聴』と呼びます。この名称からすると老人になってから発症するように思えますが、私の実測結果からもわかるように、実際は20歳くらいから始まります。これは他の老化現象と同様です。その原因は、大きな音とか騒音にさらされていると、内耳にある音を脳に伝える有毛細胞が徐々に破壊されることによります。なので、イヤホンやヘッドホンで大きな音で音楽を聴きまくっていると早く発症するので、現代の若者は十分に注意する必要があります。

10年くらい前に超高音まで出せる特別の装置を使い音圧をかなり上げて測定した結果


 CDは2万ヘルツ以上の音は完全にカットされているので臨場感が出ないから、もっと高音域が出ないといけないなどと言って、ハイレゾにして、音源、ケーブル、スピーカーなどにもこだわって、かなりの投資をして、折角数万ヘルツまで再生できるシステムにしたとしても、そんな高音域は中高年だと自分の耳の聴力に問題があって、今までのローレゾとあまり変わらないという、とても悲しい現実があることを知らない人が大部分でしょう。しかし、私の研究結果では、単に再生可能周波数の上限を上げるだけで高音質になるわけでは決してありませんが、CDの音とハイレゾの音を比較すると、中高年の耳でもハイレゾの方が高音質に聴こえます。もちろんマイクの性能にも問題があり、たとえハイレゾ音源であっても、ピークメーターで調べてみると、2万ヘルツ以上の高音が出力されているものはほとんどありません。もっとも、医薬品と同様に『プラシーボ効果』で、ハイレベルの装置で聞けば、実際には聞こえていないのに、よい音のように思えて幸せな気分になれるので、それはそれでよいのかもわかりません。確かに非常に高価な装置やケーブルなどは、それなりの貫禄が十分にあり、見るだけで感激し、所有する喜びや満足感があるのは確かですが、パソコンには、そんなのはありません。その意味では、オーディオは耳だけでなくて、目も大いに関係する趣味・道楽なのです。ハイレゾは主にパソコンで操作しますので、やっていると仕事の延長のような気がして、気分転換や癒しには向きません。かなり以前に『研究・教育へのパソコンの応用と活用』というベストセラーの本を出版し、パソコンもオーディオも両方が大好きな私でも、仕事に必須のパソコンと趣味のオーディオは、できれば切り離したいのに、それが融合したハイレゾとは困ったものです。
 先日、ハイレゾ関係の記事を読んでいたら、オーディオ評論家に普通のCDの音からハイレゾの最高性能の音まで、5種類の音を聞いてもらって、音の良い順を書いてもらった結果、すべて不正解であったということが書いてありましたが、その結果は何ら不思議なことではありません。中高年はもはや高音域が聴こえないのですから。それにしても、その評論家は顔写真入りのその原稿の掲載をよく許可しましたねー。結果は予想どおりなので別段どおってことはないのですが、そんな結果を公表したことが驚きです。きっと正直な人なんですねー。USB、RCA、XLR、スピーカー用などのケーブルで、何十万円もするものがありますが、並のオーディオ装置にそれを使ったら音がぐんと良くなったなんてことは、あり得ないのです。お金が有り余っていて、使い道に困っているごく一部の人は別として、こんなことに無駄な投資は即止めて、多少の余裕があるのなら、ヨーロッパの音楽祭などへ行って、生の演奏を聴きましょう。ただし、有名な音楽祭のチケットはやや入手しにくいですが。また、ニューヨークやニューオーリンズなどへ行って、本場のジャズのライブ演奏を聴きましょう。ベースやドラムスの低音が床の振動となって体に伝わってきますし、目の前に演奏している生きた人間がいるので臨場感は抜群です。やはり、音楽とビールは、生が一番です!!オーディオ装置なんて、いくらお金を投入しても絶対に生の音楽には勝てません。たとえハイレゾでも同様です。生は特に臨場感や緊張感が全く違います。しかし、聴きたい時にいつでも好きな曲を聴けるのが、オーディオの最大のメリットです。生では、それは絶対に不可能です。


★ハイレゾにおける最大の疑問点

 音源を色々と比較試聴した結果、次のような重要な疑問が浮かびました。すなわち、CDは2万ヘルツ以上の高音が完全にカットされているのが音が良くない主な理由であり、それを克服するために、もっと高音の出るSACD(Super Audio CD)、DVD-Audio、Blue Ray Audio、そしてついに今やハイレゾの時代になってきました。しかし、下記の小澤征爾のハイレゾの全曲を再生しながら再生出力周波数を、多数の周波数帯域に分けて棒グラフ状に出力を表示するピークメーターで、その曲の最初から最後までの全てをずっと監視してみましたが(非常に眼が疲れました)、ほとんどが7千ヘルツ以下であり、1万ヘルツ以上はほとんどなく、1万5千ヘルツ以上は、全く検出されませんでした。これは自分の耳で判定しているのではなくてピークメーターで測定した結果なので客観的であり、しかも中高年の人たちは誰でも1万5千ヘルツ以上の高音が聞こえないことと合わせて考えると、CDは2万ヘルツ以上が完全にカットされているから音が悪く、ハイレゾはサンプリング周波数が192KHzであれば、時間軸的に非常に細かく(CDの4倍以上)分割してデジタル化でき、理論上86KHzというような超々高音まで再生できるので音が素晴らしく良いというのは怪しいと思います。量子化ビット数でも同様です。CDなら1秒を44100に分割してアナログ信号をデジタル化していますが、ハイレゾならば192000に分割しているので、より原音に近い良い音がするなんて言いますが、この差を人間の耳で区別できるとはとても思えません。しかし、CDとハイレゾを聴き比べると、上述の小澤征爾の指揮する全く同一の曲で比較しても差があるのはなぜでしょうか。どうやら数値では表わせない何かに差があって、臨場感・雰囲気の表現に差があるようです。再生周波数の上限とは関係ありません! それでは、いったい何の差なのでしょうか?


★音楽は生が一番・次がアナログ・最後がデジタルか?

 オーディオの時代の流れに逆行した極論を以下に書きます。原音のデジタル化において、サンプリング周波数も量子化ビット数も大きいほど良いのであれば、両者ともに究極の∞(無限大)以上のものはなく、それはすなわちアナログのままがベストということになります。CDやハイレゾなどでは、生のアナログ音源のデーターを細かく区切ってわざわざデジタル化し、さらにそのデジタル化したデーターをまた元に近いアナログデーターに戻して聴くという回りくどい面倒なことをするので音質が低下するのであり、アナログデーターをデジタル化するのに、細かく区切るほどより良い音になると言うのであれば、デジタル化などせずにアナログのままで聴くのがベストなのではないでしょうか。しかし最近は、後の処理が楽なのと経時的劣化を防ぐために、生を直接デジタル録音することが多いかと思います。
 以前にハイレベルのマニアの間ではよく利用されていた2トラ38(『ツー・トラ・サンパチ』と読む)というテープが高性能アナログ録音の例です。この名称は、6mmのテープ幅いっぱいに2トラック(LとR)のみが録音されており、テープスピードが38cm/secと高速であることに由来しております。だから音が良いのです。以前には、そのようなテープに入った音楽ソフトも市販されており、私も持っていますが、CDの10倍くらいの値段がしましたし、取り扱いも大変でした。そのような2トラ38用の市販ソフトの実例は、私のホームページ別項の『明かりや音源の種類による癒し度の違いなど』の中に写真入りで紹介してありますので参照して下さい。価格・簡便さ・スペースファクターなどを無視して音質の面だけからすれば、CDやハイレゾよりも、民生用としては、これが一番ということになるでしょう。ただし、2トラ38の問題点は、そのようなソフトは、今や一般には市販されていないことです。いくら音が良くても、音源が簡単に入手できなければ、どうしようもありません。ただし自分たちで生録をすれば別ですが。そのようなアナログ録音したままのテープを聴くためのオープンリールテープデッキは、次の写真に示すような、かなり大掛かりなものであり、大きなリールが速く回転している様は、迫力満点で、いかにもプロ級といった感じで、性能も姿も実に素晴らしいのですが、現在のような軽薄短小化の時代には全く向かず、残念ながら今や市場から消え去ってしまいました。

我が愛用の2トラ38オープンリールテープデッキ
左側は周囲がレザー張りのプリアンプ部で、右側は同メカ部(積み重ねての使用も可で、
その場合の合計の高さは約60cm、横幅は約50cm、総重量は約36kgです。)
周波数特性は、なんと30Hz~30KHzで、ルックス・貫禄といい、これぞオーディオの
真髄・真骨頂であり、私の本音はハイレゾよりも、こんなのをもっとやりたいです!!


★生演奏とCDとハイレゾの音の比較(小澤征爾が指揮した曲で)

 ハイレゾは、高分解能の音楽であり、生の原音に限りなく近い音が出ると言っても、生演奏を聴いたことがない人では比較のしようがないので、本当にそうかどうかの判定はできません。やはり、生演奏を聴かないとダメです。たとえばの例ですが、小澤征爾が目の前で指揮しているのを生で聴くのと、隣の部屋の音が丸聞こえのアパートの一室で、ミニコンポで小さな音量で隣を気にしながらCDで小澤征爾を聴くのとでは、全く迫力や臨場感が違いますから。ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くのは問題外で、ハイレゾ以前の問題ですし、イヤホンで大きな音で聞き続けていると、上述のように『高音性難聴』が早まりますので要注意です。しかし、日本の住宅事情では仕方ありません。ある学生に聞いたところでは、百均で買った100円のイヤホンをスマホに接続して音楽を聞いているそうで、友達にもそのようなのがいるそうです。100円のイヤホンがあるとは知りませんでした。専門家の話によると、オーディオ装置で音楽を聴く場合は、理想的には生演奏とほぼ同じ音量でスピーカーから音を出して、生演奏とほぼ同じ距離だけスピーカーから離れて音楽を聴くのがベストだそうです。しかし、そんなことができるのは、ド田舎の家か防音工事をしている特別大きな家だけでしょう。
 CDなどに入っている音は、各楽器ごとに別々のマイクでオンマイク多チャンネル録音した音をミックスダウンしたものであり、各楽器の音がそれぞれクリアに入っていますが、実際に演奏会場の客席で聞く音は、それとは明らかに異なり、全楽器の音が融合したのを聴いており、さらにそれにホールの反響音なども混ざっているので、生の音は市販されているCDやハイレゾ音源に入っている音とは明らかに雰囲気が違います。
 闘病生活のために長らく指揮を休んでいた小澤征爾がついに復帰するとのことなので、それはぜひ聴きに行こうということになり、2010年の12月にニューヨークのカーネギーホールへ行って聴きました。このチケットは、すぐに売り切れるだろうと思い、ニューヨークの親友に頼んで、発売直後に良い席を取ってもらいましたが、1人92ドルで、コンサートの代金は一般に日本より安価です。やはりすぐに売り切れたそうです。毎年、カーネギーホールへ行っておりますので、そこへ行くこと自体は、いつものことで特に珍しいことではありません。座席は、小澤征爾の指揮する右手の指先までもが鮮明に見えるように、中央よりも少し右寄りのかなり前の方を取ってもらいました。音よりも、見た感じが強烈でした。すなわち、往年の小澤征爾と比べるとかなり痩せこけていて、『よくぞカムバックして来て下さいました。でも、あまり無理をされませんように!』なんて、体を気遣う言葉を思わずかけたくなるような雰囲気で、体のことが気になり、音楽に没頭することはできませんでした。指揮台にずっと立っての指揮は無理のようで、時々椅子に座っての指揮でしたが、小澤征爾独特の特に右手の指を細かく優美に、かつ鋭く動かして、的確な指示を出しているのは、以前と変わりなく、安心しました。10メートル以内の目の前に、かの世界的大指揮者の小澤征爾の本物がいて、特別の関係にある日本のサイトウ・キネン・オーケストラが演奏するブラームスの交響曲第1番ハ単調・作品68の曲を指揮をしているなんて、もう最高でした。しばらくしてからそれを収録したCDがDECCAレーベルで発売になり(2600円)、これはiTunes Storeからもダウンロード購入が可能であり(1500円、後に示す写真参照)、さらにハイレゾでも配信されていることがわかり(3000円)、早速その全てを購入して、実際の生演奏の場面を思い出しながら、16Hz~120,000Hzの音の再生が可能な愛用のハイクラスの装置で、感無量の気分で生の演奏現場を思い出しながら聴き比べました。その結果、中高年の私でも、やはりCDよりもハイレゾの音の方が生々しくて、より臨場感が高くて音に深みがあり、各楽器の音がよく聞こえて音域も広く、ハイレゾの音は確実にCDよりもレベルが上だと思いました。眼をつぶって聴くと、その時の小澤征爾の姿が頭に浮かんできます。私自身は、自分で操作しているので、どちらの音かがわかっており、先入観で判定している可能性もありますので、他の人にはブラインドテストをして、どちらの音か言わずに聞いてもらいましたが、私と同様の感想で、ハイレゾとCDでは、聴き比べるとはっきりと差があり、間違った人はいませんでした。やはり、ハイレゾの音は明らかにCDよりは上ということがわかり安心しました。少しでも高音質で音楽を聴きたい場合には、たとえ高音域が聞こえないはずの中高年でも差がわかりますので、可能ならば音源はぜひともハイレゾにして下さい。推薦します。ただし、ヒーリング用のバックミュージックとして流しておく場合には、ハイレゾに比べてややマイルドで、かすかに霞がかかっているようなCDの音の方が向いているかなと思いました。それにしても、小澤征爾のような世界的大指揮者の指揮する生演奏とそのCDやハイレゾの音と、たまたま全く同じ音源で相互比較することができたとは、非常にラッキーなことで、なかなかこんなチャンスはないと思います。その時点では、こんな原稿を書くことは予想していなかったのですが、この原稿を書くために、まさにぴったりのことが予期せずに、偶然に経験できたのです。これらに関連する写真を次に示します。専門雑誌のハイレゾ音源のおすすめの曲の紹介欄でのオーディオ評論家の推薦文によれば、この演奏のハイレゾの音は『CDもリリースされているが、その空間の静寂感、生々しさがまったく違う。小澤の心臓音が聴こえてくるかのような、生命感にあふれた演奏の醍醐味を、そのまま自宅で体験できる。』とのことです。
 現実的・実質的な結論としては、気楽に音楽を楽しむのであれば、iTunes Storeなどからハイレゾではなくて普通のデジタルデーターとしての音源をダウンロードし、それをスマホなどで持ち歩いて聴いたり、家の中ではアンプにつないでスピーカーから聴くことです。これに比べると、ハイレゾは音が少し良いとはいえ、ソフト自体が高価ですし、取り扱いが面倒ですので、メインの音源にはなり得ないように思います。特にイヤホンで聴くだけなら、マニアックな人以外は、まずやらないでしょう。しかし、たとえどのような装置・方式にしようとも、生には絶対に勝てません。しつこいようですが、やはり音楽は生以上のものはありません!!

カーネギーホールの外壁にある建物の案内板
(左右の写真は演奏会の当日に撮影)
今回の小澤征爾指揮のサイトウ・キネン・オーケストラのコンサートの案内板
売り切れの赤いシールが貼ってある)

そのコンサートの実況録音版のCDの
ジャケットの表面【2600円】
同 裏面
(両方とも演奏会当日の写真)

ハイレゾ音源配信サイトで有名なe-onkyo musicでその音源を見つけたところ
(これと次の写真は、パソコンのモニター画面を直接撮影したもの。)


その音源を購入して自分のパソコンにダウンロードしているところ【3000円】

 これは192kHz/24bitのWAVファイルで合計2.93GBあり、ダウンロードするのに30分くらいかかる。WAVファイルとは、マイクロソフトとIBMが共同開発した音楽データの圧縮形式で、RIFF Waveform Audio Formatのことであり、コンピュータでのファイルの拡張子がWAVなのでWAVファイルと呼ぶが、Waveファイルとも呼ぶこともある。RIFFResource Interchange File Formatの各単語の頭文字を採った略号で、Windowsのマルチメディアファイルのデフォルトフォーマットとして1991年に採用されたもの。

iTunes Storeからダウンロードした上述の小澤征爾のブラームスの通常版【1500円】を、
iPad Airに入れたアプリのMclntosh Audio Playerで聴いているところ
(VUメーターもリアルタイムに動き、色合いといい本物のMclntoshのアンプのよう。)


★私の研究用のハイレゾシステム5セット

 私がハイレゾの研究に使用しているシステムを次に示します。それは全部で5セットあり、それぞれ完全に独立した別個のシステムで、次の節に紹介するiPadで聴く方法も含まれますが、メインのものの一つはDACとアンプをXLRケーブルで接続したシステム(写真の下から2段目と両端のハイレゾ用スピーカー)と、もう一つはDAC内蔵のアンプ(写真の一番下とモニターの両サイドのスピーカー)のシステムで、これは低音が不足するのでサブウーファー(写真の右下)も接続してあります。実は前者のシステムで色々なハイレゾ音楽を聴きながらこの原稿を書いております。本格的にベストな音でハイレゾ音源を聴きたい時は、上記の前者のシステムのDACからの出力をハイレベルな大型の2組のオーディオシステムのいずれかのアンプに入力して聴きます。それらのシステムについては、私のホームページの別項の『音楽とオーディオについて』を参照して下さい。現在はハイレゾについて色々と実験中です。ここでは装置間を接続するケーブル類は、研究用としてすべて業務用の非常にハイレベルのものを使っており、装置よりも高価です。特にそのうちのスピーカーケーブルは、直径が2cmくらいあり、かなり重くて硬いので、スパイクを履いた小型スピーカーと接続しますと、スピーカーが後ろへ引っ張られて倒れそうになるくらい凄いケーブルです。さらにもう2セット、超小型の組み合わせがあり、後に示します。いずれ近いうちにケーブル類にふさわしいハイレベルのDACを入手して、従来のオーディオのメインシステムに組み込む予定であり、現在は、あくまでハイレゾの実験を色々と行なっているところです。


私の研究用のハイレゾシステム2組の写真(周囲の余計な部分をカットした写真)

 下から2段目のDAC(左側)とアンプ(右側)および外側のスピーカーとの組み合わせで、前述の小澤征爾のブラームスのハイレゾ音源を、次の写真にあるパソコンから送り出して聴いているところ。その周波数分布が外付けモニター上にもリアルタイムに表示されている。

 上の写真にあるDACとそのペアーのアンプの前面と裏面のアップの写真を次に示します。前述の小澤征爾指揮のブラームスの曲のハイレゾ音源を聞いているところです。


ハイレゾシステムのDAC(左側)とアンプ(右側)のフロントパネルの様子
(両者は業務用の超高級XLRケーブルでバランス接続している)


パソコン・DAC・アンプ・スピーカーを業務用の超高級なケーブルで接続しているDACとアンプの裏側の様子(このDACには光デジタルケーブルの入力端子も2個付いている)

 ケーブルが高級すぎて、完全に装置が負けています。これこそ真のアンバランス接続?! ここで一番目立っているのが直径が約2cmもある黒くて太いスピーカーケーブル。

上級のノートパソコンにダウンロードした後述の小澤征爾のブラームスのハイレゾ音源をfoobar2000のソフトで上の写真のDACへ送り出しているところ

 右側の赤いケーブルがプラチナ合金製の最高級業務用プロ仕様のUSBケーブルで、上の写真のDACに接続してあり、その曲の周波数分布をリアルタイムに表示するモードにしてある画面を撮影。

 次に示すのは、ノートパソコン・DAC内蔵アンプ基盤・スピーカーの全てのコンポーネントが超小型のハイレゾシステムで、全体の幅は約80cmしかありません。すべてが非常に小型なので、パソコンとDAC内蔵アンプ基盤をつないでいる濃紺のオーディオ用高性能USBケーブルが、かなり目立って見えます。


ノートパソコン・DAC付きアンプ(回路むき出し)・スピーカーの全てが非常に小型の
ハイレゾシステムでMozart Piano Concerto No.19, K459を聴いているところ

(モニターにはオシロスコープ、ピークメーター、周波数分布を同時表示している)

上の写真にあるUSB-DAC内蔵のデジタルパワーアンプ基盤で、オーディオ用高性能USBケーブルでノートパソコンと接続している。電源はパソコンから供給。
(このDACは部品むき出しの基盤のみのもので、わずか6.5 x 9.0cmの最小サイズでも出力は10W x 10W (8Ω)。基盤上の手前にある縦長の黒い長方形のものが、かの有名なBurr-Brown製のPCM2704C型DAC ICで、その上の横長の黒い長方形のものは有名なTexas Instruments製のTPA3130型デジタルパワーアンプIC。)

ハイレゾのMozart Piano Concerto No.19, K459をfoobar2000で再生中のモニター画面を撮影した写真で、VisualizationモードからOscilloscope(左上)、Peak Meter(右上)、 Spectrum(下段)を同時表示して、音楽を聴きながら再生周波数や出力レベルをリアルタイムに監視しているところ。

 次に紹介するのは、極限まで超小型のDAC基板を最新型のノートパソコンと接続して、イヤホンで聴くものです。もちろんアンプとつないでスピーカーを鳴らすこともできます。このDACの基板のサイズは、わずか4 x 2 cmしかなく、両面に部品が付いています。そのシステム全体とイヤホンを接続して作動中のDACのアップの写真を次に示します。デジタル出力の超高速点滅している赤いLEDの光が見えます。イヤホンなどのミニプラグと同じところへ光ミニコネクターを接続できます。これはやや珍しい両者兼用の端子です。

上述の極限まで小型化された超小型DAC基板の表面(上)と裏面(下)
裏面中央の黒い長方形のものが有名なBurr-BrownのDAC ICのPCM2704です。左端にUSBコネクター、右端にミニプラグ用兼光出力用端子があり、USBフラッシュメモリーくらいの大きさしかありませんが、これだけでハイレゾ音楽が聴けます。これにはボリュームも付いており、上側の写真の右端手前の白い超小型の押しボタンがボリュームダウン用で、その反対側(写真では上側)にボリームアップボタンが付いています。イヤホンで聴くには、これだけで十分です。自作派としては、こういう基板を見るとワクワクします。
イヤホンのミニプラグ(左)と光ケーブルのミニプラグ(右
このどちらでも上記のDACに接続できる。

 その有名なPCM2704のICチップの写真を次に示します。これはUSB入力からヘッドフォン出力まで一体化されており、これを使えば簡単な回路でUSB DACが作れます。

Texas Instruments Burr Brown PCM2704
左側が表面で右側が裏面。下の定規の1目盛は1mm。


★iPad Airでハイレゾを聴く方法

 下の写真に示す実例における配線は、iPad Air 128GB → Apple社純正 ”Lightning to USB Camera Adapter” → 超小型DAC → イヤホン の順に接続してあります。ハイレゾ音源は、FLAC形式のファイルをPCにダウンロードし、それをiTunesでiPadへ転送し、あらかじめFLAC PlayerをiPadにダウンロードしておけば、FLAC形式のハイレゾ音源を問題なく再生できますので、モバイル・ハイレゾが可能となります。ここに示すような超小型のDACは、iPadからの電源供給ですので外部電源は必要なく、特にモバイル用に適します。しかもイヤホンで聴くだけならば、このDACのみでよく、アンプは必要ありませんので、とても重宝します。

iPad Airでモバイル・ハイレゾをするシステムの実例
Mendelssohn: Piano Concerto No.1 in G minor, Op.25, MWV 07を
再生しているところ

上記のiPad Airに接続したUSB DAC
基板のサイズは6.5 cmx 2.2 cmで、中央の黒いDAC ICはBurr-Brownの有名なPC2704C
この基板は、清涼菓子のFRISKペパーミントのケースにジャストぴったり収納できます。


★CDとハイレゾの音の比較試聴結果

 CDクオリティとハイレゾ(96KHz, 24bit)で、それぞれ全く同一の曲・アーティストを4曲比較試聴してもらいました。この実験に参加してくれたのは、高音が20KHzまで聞こえる聴力の優れた音楽好きの19歳の女子学生です。曲目は、若い子にふさわしいアニメ系の女性ヴォーカル音楽で、ちょうど都合よく4曲ともCDクオリティ版とハイレゾ版の両方を入手できたので、それぞれを交互に比較試聴してもらいました。その結果、彼女の感想は、『全般的にハイレゾの音は、高音域までよく伸びていて、音がきれいです。しかし、一つの曲だけは、両者の差がわかりにくかったです。』とのことでした。


★ハイレゾにおけるケーブルの接続法

 ハイレゾにおけるケーブルの接続法を次に示します。以前のオーディオと違うのは、USBケーブルを使うことです。USBとはUniversal Serial Busの頭文字を取った略称で、ケーブル両端のコネクターには、血液型のようにA型とB型があり、さらにそれぞれに標準とMiniとMicroがあり、それぞれにオスとメスもあります。これらは、パソコンとプリンターやデジカメなどとの接続に普通に使われていますが、各タイプの名称のことなど何も考えずに使っていると思います。次に各種USB(Ver. 2.0)プラグの形状の違いを示します。この図はWikipediaの『ユニバーサル・シリアル・バス』から借用したものです。

各種USBコネクターの断面図(標準は一番上の2つ)

 ちなみに、パソコンとプリンターを接続するケーブルは、パソコン側がUSB-Aで、プリンター側はUSB-Bのいずれもオスです。これと同じ規格のケーブルがパソコンとDACの接続に使われています。DAC側の受け口は、たいていどれでもUSB-Bのメスなのです。そのプリンター用ケーブルでもハイレゾに使えますが、オーディオ用には設計してありませんので、ノイズ対策や音質などの点で、ハイレゾ用にはオーディオ用の上質のUSBケーブルの使用をお勧めします。パソコンの場合は、印字データーがパソコンからプリンターへ送られる時に、たとえばデーターの欠落などのエラーが発生した場合は、再送信するようになっていますが、ハイレゾオーディオの場合には、送信エラーが発生しても無視してそのまま続行します。
 iPadなどの場合に注意していただきたいのは、インターネットでハイレゾ音源をダウンロードする場合ですが、パソコン以外では直接にはできず、一旦パソコンにダウンロードしてからiTunesでiPadなどに転送しないといけないですし、その他にも現時点ではまだ色々と問題点があります。

 この他に、スマホやタブレットなどのイヤホン端子から、次に示す『ミニプラグ→RCAケーブル』でアンプに直接接続すれば、何の設定もせずに、とても簡単にスピーカーから大きな音で音楽を聞くことができますが、音質の点でハイレゾより劣りますので、やはりこれはイヤホン用の端子です。

スマホやタブレットなどのイヤホン端子とアンプを接続するケーブル
上の黒いのがミニプラグで下の赤白のがアンプに接続するRCAプラグ


★オーディオケーブルの問題点

 銅線の純度が高いほど電気伝導度が高いので、純度が99.99999%(この場合は7個の9が並んでおり、7Nineなので7Nと呼び、その実例写真は後出)や無酸素銅ケーブル(OFCケーブル)、あるいは銀線などは電気伝導度が高いので、もてはやされており、非常に高価であるにもかかわらず、マニアは機器間の接続によく使っていますが、アンプなどの内部に多数入っている部品などは、ほとんどがそのような線ではなく、並みの安価な線が使われています。ちなみに、従来からの私のメインのオーディオシステムのWE-300Bのアンプとタンノイの大型スピーカーの接続には、オーディオには最高と言われている銀のケーブルを使っております。たとえばプラチナ合金でてきている何十万円もするケーブルもありますが、これらケーブルの性能をフルに生かそうとするなら、機器間を接続する外側のケーブルだけでなく、音の電気信号を処理するアンプの内部なども全てを最高級なものにしないと意味がありませんが、そんなアンプは市販されていないと思います。安価なシステムに、そのようなケーブルを使っただけで、すごく良い音に変化するなんてことはあり得ません。一般に『ボトルネック』という言葉があり、一箇所でも問題のある部分があれば、そこが全体に悪影響を及ぼすのです。オーディオに、一点豪華主義は無意味です。逆に超高級オーディオシステムの中に非常に安価なケーブル類を使ったら音は悪くなるでしょう。とにかくオーディオでは、トータル・バランスが重要です。不純物のごくわずかな混入による電気伝導度のわずかな低下を問題にしていることがあるようですが、温度による電気抵抗の変化の方がずっと大きいのに、なぜそのことは無視しているのでしょうか。室温の変化やアンプなどを使っているとその内部の温度が上がってきますので、時間と共に抵抗値も変化しますが、そのことに気付いていないのでしょうか。また、ケーブルの両端にあるコネクターとケーブルの接合部は、ハンダ付けすると音が悪くなると言われており、『無ハンダ接合ケーブル』を売りにしている高級ケーブルも市販されていますが、アンプなどの回路基板やその他の内部の配線には、何十、何百ヶ所ものハンダ付けが必ずされていて、そこに音声電流が流れています。こういったことを無視して、ケーブルの両端のみのハンダ付けについて細かいことやうるさいことを言っても首尾一貫性がなく、片手落ちでナンセンスです。オーディオの世界においても全体を通して見ないといけません。ただし、信号の入力部については、微弱な電気信号なので外来ノイズをなるべく拾わないようにするために、ケーブルをシールドするなどし、さらに可能な限り短くするのは意味があります。さらに、デジタルデーターの伝送の場合には、金属の電線ではなくて光ケーブルで接続すると、フォトカプラーにより電気的なノイズは完全に遮断できます。以前にそのような回路を自作したことがあります。また、RCAケーブルのような、アンバランス伝送よりも、XLRケーブルのような、バランス伝送はノイズ防止により効果があり、さらにXLRは、接続するとコネクター部分にロックがかかり解除ボタンを押さないと抜けないので、高級なマイクやプロ用の機材の接続に使われています。XLRプラグは、アメリカのキャノン(Cannon)社が開発したので通称『キャノンプラグ』と呼ばれていますが、日本のカメラのキヤノン(CANON)社とは全く無関係です。アンダーラインした部分の微妙な表記の違いに注目して下さい。次にハイレゾにも関係する各種ケーブル類を多数、写真で紹介します。かなりマニアックな人でない限り見たこともないようなのも含まれているかと思いますので、参考にして下さい。外観よりも内部の材質が凄いものがあります。:ケーブルは、どこにでもある単なる普通の銅線から、純度99.999999%の高純度銅線、銀線、金やプラチナ含有線まで実に多種多様で、物によっては貴金属店で販売すべきような超高級・超高価なものまであり、実物を見たり触ったりすれば、その貫禄が実感できます。
 実は、ケーブル類のコレクションも私の趣味の一つです。オーディオの世界は、たかがケーブル、されどケーブルなのです。その一部を以下に示します。


●パソコンとDACを接続するUSBケーブル(ハイレゾに必須)

プラチナ合金製のオーディオ業務用超高級ケーブル(赤いケーブルの左側のコネクターがUSB-Bタイプのオスで右側はUSB-Aタイプのオス)。価格は右下に示すパソコン用ケーブルの約240倍と超高価。 高級ケーブル(濃紺のケーブルの左側のコネクターがUSB-Aタイプのオスで右側はUSB-Bタイプのオス)


新しい規格のUSB3.0のケーブル。両端のコネクター内部の絶縁体が青い色であるのとBコネクター(左側)の2階建ての形状が3.0の特徴。USB2.0と比較すると、データ転送速度は約10倍も速く、供給電力は約2倍多い。ただし、コネクターのAは2.0と同じ形であるが、Bは写真のように2階建てになっているので、従来の2.0用のメスコネクターには接続できない。 パソコン用の普通のUSBケーブル(左側がA型で右側がB型のオスの標準サイズのコネクターが両側に付いており、一般にプリンターとパソコンの接続などによく使われているもの)

●新型iPoneやiPadとDACを接続するケーブルのいろいろ(LightningコネクターとUSB-Aタイプコネクー)

高性能オーディオ用Lightningケーブル


Lightning to USB Camera Adapter(これはApple社の正式名称ですが “Camera Adapter” という部分は誤解を招くのでよくない。もっと多方面に使えるので。) Lightning toUSB Cable
(Apple社の正式名称)

 この2本のケーブルはアップル社の純正品で、左側のケーブルはUSB-Aのメスのコネクターが付いているが、ハイレベルオーディオには向かないような形状。


●DACとアンプの接続などに使う業務用のXLRケーブル

 ステレオ音楽にはL用とR用に合計2本必要。以下の全てのケーブルでも同様。

プラチナ(Pt)・ゴールド(Au)・ニッカス(Ni, Cu, Sn)合金製の業務用特別超高級ケーブル(両ケーブルともに左側がオスで右側がメス)で、価格は右下に示す通常のものの約192倍と超高価。貴金属店で販売するような品物! スターリングシルバー製の業務用超高級ケーブル(2本の赤いケーブルともに外側のコネクターがオス・内側がメスで、かなり大きい)。トータルデザインが最高!


業務用で普通のクラスのケーブル(緑・白ともに左側のコネクターがメスで右側がオス) 業務用で普通のクラスのケーブル(両方とも左側がメスで右側がオスのコネクター)
次に示すように業務用のマイクもこのタイプのケーブルが使われています。

業務用デジタル録音機とR側マイクのみをXLRケーブルで接続したところ
このシステムを用いて自分で録音して制作した癒しの音『ストレス解消・健康増進の音シリーズ 京都・羅組奄(らくえん)の水琴窟の音色』のCD。よろしければ買って下さい。インターネットでも購入可能です。周波数レンジが特に広いデジタル録音機で録音したために、非常にクリアで、とても良い音に仕上がっております。

●RCAケーブル

 RCAケーブルは、従来からオーディオ装置間の接続に最もよく使われている非常にポピュラーなケーブルです。そのために、たかがコードに過ぎないのに、本当にピンからキリまであり、オーディオに興味のない人が知ったら腰を抜かすような、小型車が買えるほどの信じられないくらい超高価なケーブルまであります。現実に、あるいは理論的に少しでもハイクオリティなものならば、たとえ非常に高価であっても入手して使うというのが超オーディオマニアのやることであり、これ以上のものはないという非常に高価で取り扱いが厄介で、自然と『軽薄短小』の逆のものになってしまうのを使うのが真のオーディオ道楽の世界なのです。いわゆる、これ以上のものはない『一番でないといけないんです! 二番ではダメなんです!』のようなことになります。そんなことを実践しているオーディオ・フリークが、世界中にたくさんおられます。ハイレベルの趣味の世界は、そんなものです。

誘電体バイアスシステム(Dielectric Bias System: DBS)を導入した業務用の超特別RCAケーブル(写真は1本のみを撮影したが実際にはL用とR用の2本ある)
 DBSの原理を簡単に書きますと、やや特殊な乾電池で72Vの電圧をケーブル外側にかけて、信号導体には直接働きかけずに、周囲の絶縁体を安定させることによって、信号導体も安定した状態に導き、結果として音がよくなるという理論に基づいているものです。これは米国Audio Quest社独特の方式で、ケーブルとともに中央に写っている黒い長方形のものが、72V(12Vの特殊乾電池6本)の電池ボックスです。音声の電気信号は、電池ボックスのある方向に向けて流すようにと書いてあります。これは下の2段目の写真の右側の普及品のケーブルの約1200倍と特別超高価です。

業務用超高級ケーブル。価格は右下のケーブルの約425倍と超高価。 高級な7Nケーブル

中級のケーブル 普及品の安価なケーブル

●スピーカーケーブル

業務用超高級ケーブル(直径:約2cm)。
価格は左下のケーブルの約1430倍と超高価。

業務用超高級ケーブル(直径:約2cm)。
外観は水を撒くホースにそっくり。

左側も右側も両方ともケーブルの両端には『バナナプラグ』が付いていますが、ケーブルが極太なので、それがとても小さく見えます。


一般用として最も普及している安価なケーブル
(両端がバラ)
左上と左下の両ケーブルのスケールを比較するための写真。

 両者の価格差は1430倍もありますが、実際に比較試聴してみても音にそれだけのとても大きな差があるとは、とても思えません。もっとも、測定器で何かを測定して評価するのなら別ですが、耳で聞くだけの体感なので、例えば音が2倍良くなったとか3.6倍良くなったとかのように定量的に言うことは、絶対にできません。少しでも良くなったように思えるとか、理論的に良くなるというようなことであれば、多額の投資でもやるのがマニア・趣味・道楽の世界なので、興味のない人にとっては、こんなケーブルを使うのは頭がおかしいと思えることでしょうが、どの分野でも類似です。


●光ケーブル

 ケーブル本体の材質は高純度のシリカか特別のプラスチック製のファイバーです。送受信可能情報量が非常に多いので、ステレオ音楽でも1本のみでよいのです。パソコンでこれが使えるものはまだないと思いますが、中級以上のCDプレイヤー、DAC、アンプなどでは使えます。デジタル信号伝送時の電気的ノイズの遮断にはベストのケーブルです。実際のデジタル信号の伝送は、半導体レーザー光(通常は赤色)などの超高速点滅を受光部で受けて行ないます。そのための専用ICがあります。そのようなのを含む回路を自作したことがあります。この種のケーブルは、電気的ノイズを全く拾わないのが最大の特徴です。

高級光デジタルケーブル(かなり太く、ハイレベルオーディオの世界では『軽薄短小』はダメ) そのケーブルをブルーレイディスクプレイヤーの光出力端子に接続し、音楽再生にともなって超高速点滅している赤色レーザー光が出ている様子が見える。

ブルーレイディスクプレイヤーと高性能8.1チャンネルAVアンプのフロントパネルにある光入力端子を、その光デジタルケーブルで接続している様子。 普及品の光デジタルケーブルのコネクターの一方(右側)に緑色のレーザー光を当てると、反対側(左側)にその光が出てくるのがよくわかる。逆方向でも同様に光が伝わる。


●電源ケーブル

 これは、アンプをはじめとする各種機器に電力を供給するためのケーブルです。特にアナログのハイパワーアンプでは、かなりの電力が必要ですが、中でも大きなパルス信号が入力された時に、瞬時にそれに対応できる十分な電力が供給されないと、パワー不足で音に歪が出るので好ましくありません。そこで大電力輸送・供給が可能な太いケーブルが必要となります。その極端なものが、写真の⑤のケーブルで、直径がなんと33mm(コネクター部は40mm)もあり、まさにギネスブック級の究極のサイズのものです。この世の中には、こんな化け物のようなケーブルが存在しているのですねー。このケーブルで配線している様子を見ると、まるで大蛇が横たわっているようで、不気味な凄みを感じ、迫力満点で、安心感もあります。
 比較・参考までにApple社のiPadに付属の電源ケーブル(充電用)を写真の①に示しますが、これはケーブルが細すぎますし、コネクター部が華奢すぎて全く比較の対象になりません。
 一般的な普及品の電源ケーブルは、写真の②に示すようなものですが、マニアックなオーディオマニアは、たとえば写真の③のようなものを使っています。この例のものはプラチナメッキがされています。さらにハイエンド用の実例は、写真の④のような超高級品で非常に高価です。写真の⑤は、筆舌に絶する超ド級のケーブルで、②の約千倍も高価です。
 ハイパワーアンプなどに大電流を流すためには、太いケーブルが必要ですが、これからメインになるであろうDクラスアンプとイヤホンやヘッドホンで楽しむだけの軽薄短小で消費電力の非常に少ないデジタルの世界には完全に無縁のものでしょう。現在、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くのが非常にブームになってきましたが、そのようなのは、まともなオーディオとはとても思えません。

電源ケーブルのいろいろ
ケーブル本体の直径の比較: ①2mm, ②7mm, ③8mm, ④19mm, ⑤33mm



★マイクの周波数特性

 特に以前のマイクの周波数特性は、高音域が2万ヘルツまでフラットに拾えるような高性能のものはなく、ハイレゾでいくらがんばってみてもCD並みの高音しか出せません。現在入手できるハイレゾ音源の中には、そのようなCD用に以前に録音されたようなものが多く含まれているので注意して下さい。数多くのハイレゾ音源を再生しながらスペクトラムアナライザーで広域のピーク周波数を観察してみて、2万ヘルツ以上なんて全く入っていなくて、せいぜい1万5千ヘルツ程度までしか入っていないものが多いようです。ただし、ハイレゾ関係の月刊誌が今や何冊も発売されていますが、その付録のハイレゾ音源の中には、デモ用のためか、周波数特性やダイナミックレンジが誇張されていると思われるものすごい迫力のものがあります。2万ヘルツよりもはるかに高音域である100kHzまでの音が拾える特別のマイクを、三研とNHKが2003年に共同開発し、世界の注目を集めました。研究用にこのマイクが欲しかったのですが、非常に高価で、しかもステレオ収録には2本必要なので止めましたが、いつか買うかもわかりません。しかしマイクの高域を広げると感度が大きく低下するので、それが大変困ったことなのです。ちなみに20kHzまでの音を拾えるマイクと100kHzまでのマイクを比べると、感度は1/25になってしまうので、これは大いに問題です。今後のハイレゾ対応の音楽は、20kHzよりもはるかに上の音も拾えるマイクで収録するようになると思いますので、真のハイレゾ音楽が聴けるようになるでしょう。もちろん音楽は20kHz以上の超高音域のみが重要なのではなく、周波数帯域の他にダイナミックレンジなど、色々と重要な要素が他にもありますので、普通の人では聴き取れないような高音域のみを大きく問題にするのはどうかと思います。素人好みの良い音にするのは簡単で、低音をブートし、音全体に少しリバーブをかけることですが、これでは本来の音ではありません。歌謡曲などは、それに近いです。若者がカーステレオでボンボコ・ボンボコと非常に大きな音で走り回っていることがありますが、あれはドンシャリ音楽で、これも本来の音楽ではありませんが変に迫力はあります。


★ハイテクと老テク

 時代の流れもあり、音が良いということと、どこからでもパソコンで入手できて曲の整理や曲出しが容易などの理由で、いずれ音源はハイレゾが多くなるかと思いますが、現在の中高年の熱心なクラシック音楽ファンやジャズ音楽ファンなどが、すでに大量に持っているレコードやCDに決別してハイレゾに移行するようなことはなく、やるとしてもその次の世代からになることでしょう。若者は、スマホやパソコンをスイスイと自由自在に使いこなしています。私のようなオーディオ研究家ならば、新しい方式が出たら、すぐにトライして、色々と試して評価もしますが、普通の中高年のオーディオマニアは、そんなことはやらないでしょう。彼らは、予想以上に保守的であり、さらにフォローできないのです。先日も大のクラシック音楽ファンの大先生と京都で話していましたが、彼はレコードを大量に持っていますし、装置もかなりのレベルのものを使っていますが、ハイレゾのことを話しましたら、全く興味がない様子でしたので、すぐにハイレゾの話は止めて、昔からのレコードの話をしておりました。今更そんなハイテクのことを始めたくないようです。類似のことが他の中高年の人にも言えると思います。ずっと以前からのハイクラスのオーディオマニアには、パソコンを操作して音楽を聴くということに違和感があり、拒絶反応を示すようです。やはり『ハイテク』には付いて行けずに、老人には『老テク』がいいんですねー。余談ですが、メールがやれなくて、未だにFAXを送ってくる人がいるのは困ったものです。一般に高齢者になると、新しいことを始める根気がないのです。俳句やゲートボールなどなら、いとも簡単に誰でもすぐに始められるので問題ないのですが、パソコンを高度に駆使しないといけないようなハイテクで面倒なことには手が出せないようです。お金と暇のある中高年の人たちに全くやる気がない・やれないこともありますし、近いうちにハイレゾ音楽が日本中で大ブレイクするとは、とても思えません。高音域の感度がとても低い旧式のマイクで集音し、多チャンネルオープンリールテープに録音した音楽を、ただ焼きなおしただけのハイレゾ音源が市場から消え去り、全てが最新のハイレベルの装置で製作した真のハイレゾ音源が大量に出揃い、現在の若者が中高年になった頃には、CDは消滅しているかもわかりません。市販されているのは、インターネットで購入するデジタル音源のみになっていることでしょう。ただし、ハイレゾでない方の普通のデジタル音源が主流でしょうが。以前に市販されていた音源の実例として、レコード、8トラックテープ、カセットテープ、MDなどがあり、今や懐かしい過去の文化遺産となりました。しかし、レコードは、マニアのために、今でも新しいのが生産されています。なぜか一般に熱狂的な音楽ファンは、デジタルの世界はあまりお好きではないように思います。


★まとめ

 以上、ハイレゾオーディオやそれに関連する重要な問題点をいくつか指摘しましたが、ハイレゾ音楽の本番はまだこれからという段階であり、今後どうなるかについては、不安と期待が交錯する新しい再生音楽の領域だと思います。しかしながら、音源やシステムの年々の顕著なレベルアップに反して、リスナー各自の加齢に伴う聴力(特に高音域の可聴上限)の顕著な低下は、改善(治療)のしようがなく、特にこの新領域では最も重大な問題点だと思いますが、どうしようもありません。なので、ハイレゾは、やはりいつまでも若者(特に数万ヘルツまで余裕で聞こえるティーンエイジャー)に向く音楽なのでしょうか?! ピアノを習っているような音楽に熱心な多数の10歳くらいの子供で、各種音源の比較視聴の実験をしてみたいです。でも、高齢のお爺さんが、パソコンから、その時に聴きたい『お経』を選んで、これは東本願寺の音とか知恩院の音とか言いながらハイレゾのお経を聴いているなんて、お洒落じゃないですか!! いずれそれが可能になったら、私もやってみたいです。音による癒しの音源の一つとして、以前から私は『お経のCD』を持っており、何人かにお経を聴いてもらいながら脳波を測定した結果、お経はストレス解消に効果があることがわかりました。そのようなCDの実例を次に示します。

癒しの音源として研究用に使っている『お経のCD』の例


★ハイレゾの将来予測

 ハイレゾについて実際に色々とトライしてみた結果、CDなどの従来の音源に比べて格段に音が良いという程の凄いものではないのに、次のような問題点があるので、ハイレゾは当初私が予想していたほど今後も伸びないような気がします。高音は、かなり伸びているはずなのに!
 その理由:①ソフトがCDよりかなり高価、②CDの30倍以上とファイルサイズが極度に大きいためにダウンロードするのに非常に時間がかかり面倒であるし、③ハードディスクに保存するにもかなりの容量が必要である、④パソコンが必須であり、従来の上級のオーディオ装置のような視覚的にも素晴らしい特別のオーディオ装置を持っているという喜び・満足感がなく、パソコンは趣味の世界で、じっくり長期間にわたって愛蔵するような装置ではなくて単なる使い捨ての事務機器に過ぎない、⑤パソコンはハイテク機器なので寿命が短く、5年~10年もしたら古くなって使い物にならない(現在のXPのようにOSのサポートがなくなるなど)、⑥パソコンを操作して音楽を聴くというのは仕事の延長のようで癒しにならない、⑦パソコンは当初からオーディオ用にも使うとは考えられておらず、ノイズ対策などがされていないどころかパソコン自体がノイズ発生源になっているなど、オーディオとの相性がよくなく、オーディオでのパソコンには色々と問題点がある、⑧パソコンが得意な若者は、百均で買ったイヤホンを使い、無料でスマホに入れた音楽を超安価に気楽に聴いているような例が非常に多く、高価なハイレゾ音源を大勢の若者が次々と購入・ダウンロードして聴くとはとても思えないし、⑨逆に経済的・時間的に余裕のある中高年層(特に定年退職者)にはパソコンは何かと面倒であり、細かいモニター上の文字も読みにくく、やる人は多くないでしょう。
 以上のことなどから、今後ハイレゾがオーディオの主流となり、広く世間一般に普及するとは思えません。一般用の音源としては、簡便なCDレベルのクオリティで十分ではないでしょうか。CDのスペックでは物足らないとのことで、もっと高性能なSuper Audio CD (SACD)、DVD-Audio、Blue Ray Discなどが鳴り物入りで次々に出現しましたが、CDよりも高価であるのに、誰が聞いてもCDよりもはるかに音が良いということもない(聞き耳を立てて比較試聴してやっと差がわかる程度)などの理由から、一部のマニアックな人たちを除き、当初の予想に反して一般には全く普及しておりません。ハイレゾも、これと同様な道を辿ると思われます。
 音に迫力や重厚感を出すには、2万ヘルツより上の周波数を、いかにして再生するかに必死になるよりも、低音をいかに下まで出すかの方が現実には重要で効果があるような気がします。16Hzまで再生できるシステムで、バッハのパイプオルガンの曲などを一度ぜひ聴いてみて下さい。ヨーロッパの大聖堂などのパイプオルガンの重厚な低音の音を連想するほどです。ハイレゾ用として市販されている小型スピーカーなどとは音の厚みや迫力が全く違い、雲泥の差があります。高音は15KHzでも聴こえないような大半の高齢者でも、超低音ならば問題なく聴こえますので、何も問題ありません。ただし、大きなスピーカーかサブウーファーの追加が必要になります。色々と試した結果、特に中高年者には、再生可能超高音域を伸ばすことよりも、むしろ超低音域の再生を可能にする方が、はるかに重要だと思います。超高音は指向性が非常に高いので、スピーカーの正面で聴き耳を立てて真剣に聴かないと聴こえませんし、耳鳴りとの区別がつかないことも多いようですが、超低音は指向性がないので、部屋のどこにいても、ほぼ同じように聴こえます。超低音は耳で聴くというよりも、足の裏で検知する床の振動ですので、超低音になると聴力は関係ありませんし、高齢者でも大丈夫です。


【追伸の結論】

 上記の原稿を書いてから1年近くが経過し、その間に折に触れてハイレゾのさらなる実験や研究を重ねてきましたが、やはり当初の予想どおり、私には標準的なハイレゾは向かないとの結論に達しました。長年やっている『レコードを音源とし、真空管アンプと大型フロアスピーカーで再生して聴くオーディオ』が私には一番です。このようなシステムですと、音の厚みや臨場感が全く違います。ただし、ハイレゾ音源を真空管アンプと大型フロアスピーカーで再生して聴くと素晴らしいですが、パソコンと接続する気はしません。
 短小軽薄、住宅事情の問題、省エネ・節約の時代に即してか、ハイレゾの宣伝などを見ますと、なぜか超小型(ポータブル)のシステムで、イヤホンヘッドホンで聴くのがハイレゾの標準のようになっており、今やイヤホンやヘッドホンは多種多様な商品が非常に多く市場に出回っているようですが、私はそのようなので聴く気がしません。なぜなら、通常の生の音楽会では、自分の前方に演奏家がいて、各楽器が前方の左右前後に広く存在しており、それを収録したものをスピーカーで再生すれば、生と同様に聴く人の前方の左右前後に各楽器が定位して自然ですが、イヤホンやヘッドホンで聞きますと、各楽器が聴く人の頭蓋骨の中で左右に定位し、頭の中で音がしていますので、生の音楽を聴きなれた者にとっては非常に不自然で違和感があります。
 さらに、サンプリング周波数量子化ビット数の数値に過度にこだわるのもおかしいですし、スピーカーの周波数特性(再生可能周波数範囲)なども同様ですが、そんな数値は単なる物理特性であって、音の良さとは直接の関係はありません。入力や出力などのトータルバランスも重要です。事実、歴史に残る名スピーカーの数値上の特性は、あまりよくないものが多いのです。逆に、たとえば非常に広帯域までフラットな特性で優等生を絵に描いたようなスピーカーもありますが、音が良いとは限りませんが、モニター用には向くかも。
 最後にですが、お好きなようにして各人各様にオーディオを楽しんでもらえばよいのであり、私はハイレゾ全体を否定しているものでもありませんし、何をしようと各自の勝手であり、他人様のやり方に対して私が口出しするつもりは全くありませんので、誤解なきようにお願いします。
 私のホームページの中にある『レコード音楽を楽しもう』の後半部に、レコードやCDと比較したハイレゾの周波数特性の実測データや解説文なども掲載しておりますので、そちらもぜひご参照ください。

―完―


【補足】情報科学の世界では、単語の最後の長音符号は省略する習慣があり、たとえばプリンターではなくてプリンタ、コネクターではなくてコネクタなどと表記しますが、本稿では一般の人に自然なように長音符号を付記しております。

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