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明かりや音源の種類による癒し度の違いなど

 健康増進・疾病予防・健康長寿には、『抗酸化・酸化ストレスの解消』の他に『癒し・精神的ストレスの解消』が非常に重要ですので、ここでは視覚に関係する『明かり』や聴覚に関係する『音源』の種類による癒し度の違いなどについて述べます。この拙稿が、ストレス過多の今の時代に、わずかなりとも皆様の癒しや精神的ストレスの解消、ひいては健康長寿などにお役に立てば幸いです。


【第1部】明かりによる癒しについて

 明かりには、ろうそく、白熱電球、蛍光灯、LED照明など色々とあり、それぞれの色合いもかなり異なっています。ろうそくの光は赤みのある暖色系であるのに対して、色補正していないLED照明の色は、少し青みがかった寒色系です。この差は、『色温度』(Color Temperature) の違いによるものです。色温度の単位はK(絶対温度)で、名付け親のKelvin男爵の名前に由来しています。この値が小さいと赤みを帯びており、逆に大きいと青みが出てきます。この実例として、ろうそくの炎は約1800K、白熱電球は約2800K、蛍光灯は約5200K、日中の太陽光は約5500K(写真撮影用のストロボもこのくらい)、薄曇りの空は約6000K、青空は約12000Kです。
 以前のフイルムカメラの時代には、曇天下で景色を撮影すると全体が青みを帯びますし、白熱電球の照明下で撮影すると全体に赤みを帯びるために、それらの色を補正する必要のある時には、色温度補正用のフィルターを使って、写真に写る色温度を補正することもありました。しかし、最近のデジカメでは、『ホワイトバランス』の機能が付いており、それを使うと、色の偏りがなく真っ白なものは真っ白に写るように自動的に色温度補正をしてくれますので、全体としても自然な色合いになります。しかし、色見本の撮影の場合とかならいざ知らず、イメージ重視のような場合などでは、この機能を使いません。たとえば、白熱電球の照明で故意に赤っぽい写真にしてムードを出すなどします。
 一般には色温度が低いほど暖色系で癒される傾向が高く、通常の照明の中では、単にボーっとしている時には、薄暗いろうそくの光は気分が休まり、最も癒されると言えます。さらにろうそくの炎がゆっくりと揺らめくのを眺めていると、『ゆらぎ効果』で、さらに癒し度が増し、ストレス低減 → 健康増進に貢献します。逆に、蛍光灯やLED照明のような青白くて寒色系の明るい光で照らされていると、気分が休まりません。昼間の仕事場では蛍光灯の明るい照明下で仕事をして、帰宅後には、ろうそくや白熱電球の明かりで疲れを癒すというのは理想的です。ただし、白熱電球は毎日使っていると、よく切れますし消費電力が大きいので、今のエコの時代には合いませんが、電球自体は非常に安価です。それに反してLED電球は、消費電力が少なくて寿命が長いとは言え、非常に高価です。アメリカの家庭などでは、部屋の上(天井)から蛍光灯で照明するということはせずに、部屋の隅に白熱電球のお洒落なフロアスタンドが置いてあるのみで、我々日本人からすると、部屋が暗すぎます。欧米のホテルの部屋も類似で、かなり暗いです。彼らに聞いてみると、やはり家庭やホテルの部屋は休息の場であって、仕事をする所ではないので暗いのだそうです。高級レストランはもっとひどくて、夜のディナーの時には各テーブルの上にろうそく1本の明かりがあるだけとかで、小さい文字のメニューがよく読めないこともよくあり(英文だから余計に読みにくい)、出てきた料理も薄暗くてはっきり見えず、美味しさ半減ということもよくあります。なぜあそこまで暗くするのでしょうか。気分が休まるどころか、メニューがよく読めない、料理がよく見えない、請求書の文字がよく読めないなどで終始ストレス度が高まり、癒しの逆になりますので、もう少し明るくしてほしいです。
 人間の眼で見て感じるよりも写真の方が各種照明の色温度の差が、よりはっきりと写りますが、その実例を以下に示します。健康増進・疾病予防・健康長寿には、抗酸化の他に癒し・ストレスの解消が非常に重要ですので、その点からは色温度の低い照明を使いましょうとなります。ただし、ここでは経費や手軽さ、政府の要請などは考慮せずに言っております。政府の要請とは、2008年に国内大手家電メーカーに対し、地球温暖化防止のため、2012年度までに消費電力の高い白熱電球の製造中止を呼びかけたことであり、現在は普通サイズの昔からあるタイプの白熱電球は市販されておりません。個人的には、白熱電球の温かみのある明かりは大好きで、自宅でもたくさん使用しておりますが、よく切れます。


 以下のすべての色温度比較の写真は、デジタルカメラ(Canon EOS 5D Mark U)のAVモードでオート撮影したままのものであり、一切の加工・補正をしておりませんので、写真による色温度の比較をしてみて下さい。非常に大きな差があるのがわかると思います。

ストロボ光で撮影したスペイン・リヤドロ製の陶人形で自然の色に近く写っている
(以下の写真は、この人形を各種明かりのみで撮影したもの) 


  和ろうそくの明かり
(ろうそくスタンドは自作のやきもの製)
 小型カップ入りキャンドルの明かり 

白熱電球の明かり その1  白熱電球の明かり その2

 蛍光灯の明かり  LEDライトの明かり


【第2部】音源と癒しについて ― ミニ・オーディオ史 ―

 音楽は、どこの国でも理解できる、いわば万国共通の癒しの言語のようなものであり、嬉しい時でも悲しい時でも折に触れて聞きたくなり、聞くと人々の心を癒し、勇気と感動を与え、生きる喜びをもたらす生涯の友です。しかし、その聞き方は、実に千差万別です。
 その音源は、生演奏、録音したアナログ音楽、さらには現在主流のデジタル録音のものまで、実に多種多様です。生演奏はベストですが、聞きたい時に聞きたい演奏が聞けないなど、実行するには色々と制約があり、ここでは除外して主な実例を挙げますと、アナログ音源にはレコードとテープがあり、デジタル音源にはCD、MD、半導体メモリに自分の好きな曲を入れて聞くなどがあります。現在では、半導体メモリにデジタル音源を入れたポータブルオーディオが全盛となり、アナログ音楽は非常にマイナーなものとなっており、昔からオーディオをやっている一部の中高年の熱狂的なマニアのみの特殊な世界のようになってきました。しかし、この世界では、衰退どころか以前には考えられなかったような超ハイレベルのアナログオーディオ機器の新製品が毎年、次から次へと出ております。その一例として、一般の人にはとても信じられないであろう価格で超弩級のターンテーブルを次に示します。これの定価は、本体の下に敷く専用のダンピングテーブル(敷板)付きで、なんと7,300,000円もして、本体の重量は79kgの超ヘビー級です。このくらいのレベルになると、トーンアームやカートリッジは付属しておらず、各自の好みのハイレベルのものを2セット組合せてレコードプレイヤーの完成となります。ターンテーブルは単にレコード盤を回すための装置ですが、数百万円とか数十万円クラスのターンテーブルは、他にもいろいろと市販されているのが現在の特徴で、ずっと以前のレコード全盛時代でも、将来ここまで発展するとは、とても考えられなかったことです。しかし、趣味・道楽の世界では、このくらいの値段はよくあることです。上記のようなものを買うか買わないかは、各人の価値観などの違いによると思います。

超弩級の最新のターンテーブル
(潟XテラのAIR FORCE ONE本体にトーンアーム2本が追加されている)


 レコードのジャケットは『方形の宇宙』であると言う人もおり、中身のレコード本体が重要なのは言うまでもありませんが、そのジャケットのデザインなどに取り付かれたレコードファンも多いようです。LPレコードのジャケットは約31.5cm四方のサイズで、CDのジャケットに比べればかなり大きくて面積も広いので、伸び伸びとデザインができるせいもあってか、図柄などに非常に凝った芸術性の高いものが多くあり、ジャケットを眺める楽しみもあって、時には中身よりもジャケットが気に入って、ついレコードを買ってしまうような場合も、多々あります。下に示すレコードもそうです。
【注】レコードにはLP, EP, SPなどいくつかの種類がありますが、音質と再生可能時間の両面から判断して最も好ましいLP (Long Play or Long Playing) レコード(33・1/3回転/分)についてのことのみを、ここでは述べております。

 レコードの実例を次に示します。サイズの比較用に、以下の各写真に写っている実物の大きさが読者の皆さんにわからない可能性があると思われるものについては、左下に直径が2cmのサイズである1円玉を置いて一緒に撮影してあります。

30cm LPレコードの実例
(フェルメールの名画『絵画芸術』の絵がジャケットに大きく印刷されている)

 上記のレコードは、パイヤール指揮・パイヤール室内管弦楽団演奏のバッハの管弦楽組曲第2番と3番ですが、このジャケットを部屋に飾れば、まさにフェルメールの名画の立派な複製画になり、音楽のみならず名画も楽しめて一石二鳥となります。このジャケットは、明らかにそれを狙っているようです。肝心の曲目は、右上に小さく英語で書いてあるのみで、絵が大部分の面積を占めていてとても目立ち、レコードのジャケットとは思えません。まるで台紙に貼った(額に入れた)複製画そのものの様相をしております。フェルメールの絵は30数点しか残存しておらず、全般的に小さなサイズのもの(一辺が40〜50cm程度)が多いのですが、この『絵画芸術』の絵は例外的に大きくて最大級の作品であり、120 x 100cmのサイズです。フェルメールの作品は、何点も世界各地の美術館で見ておりますが、この作品はウィーンの美術史美術館に所蔵されていて、そこでこの実物を最初に見た時の第一印象は『フェルメールの絵にしては大きいなあ!』でした。この絵の別名は『画家のアトリエ』で、1666〜67年に制作されたものです。この絵の中に描かれている女性は、頭に月桂冠を載せて、右手には名声を象徴するバロック・トランペット、左手には大きな黄色い本(歴史書)を持ち、明らかに一般人の日常的な姿ではありません。このモデルは、歴史の女神であるクリオの姿に扮していると言われております。フェルメールが没するまで、この絵を手元に持っていたとのことで、彼にとって特に重要な作品であったようです。
 では、名画の飾りのようなそのジャケットをアップにして、次に示します。

複製画としても十分に楽しめるフェルメールの名画『絵画芸術』のジャケット
(この絵の別名は『画家のアトリエ』です)


レコードをじっくり聴く時の手順の例

  1. 実際に聴く20〜30分前に真空管アンプ(筆者のホームページ:「真空管アンプの出力管比べ」をご参照ください)の電源をオンにして、しばらくウォーミングアップをする
  2. 聴きたいレコードを選び、そのジャケット表面の写真や絵などを眺め、次に裏面の解説文などを読む。さらに解説文が中に入っているものもある。(すでに何回も聴いているレコードであれば、これを省略することが多い) 特に上記のレコードのような場合は、音楽のみでなく、名画も同時に楽しめて、聴覚と視覚の両面から、一石二鳥に癒されます。
  3. レコードを取り出し、レコードクリーナーでほこりなどを拭き取る
  4. そうこうしているうちに真空管アンプのウォーミングアップができて、十分に熱電子が飛ぶ状態になり、いよいよレコードをプレイヤーに乗せ、カートリッジ(筆者の場合は主にMCタイプ:MC = Moving Coil)の針をレコードの上にそっと下ろす(これが最も緊張する瞬間) MCカートリッジは、出力電圧が0.1〜0.3mV程度と非常に低いために、かなり昇圧しないとプリアンプさらにパワーアンプへと音声信号を送り込めませんが、そうするにはノイズの点で真空管のフォノイコライザーアンプで昇圧するのは非常に厳しく、真空管フォノイコライザーアンプと称している製品でも、よく調べるとMCだけはソリッドステートでまず増幅してから真空管アンプでさらに増幅しております。完全オール真空管式のMCフォノイコライザーアンプを作ることは可能ですが、ノイズの点で満足できる物にはなかなかなりませんので、市販品は世界中でもほとんどありません。
  5. 以上のような一連の前座の儀式が完了して、ついに音が出て、うっとりしながら音楽に没頭する(至福の時が流れる→ 眼を閉じるとより一層癒される→ 健康増進)
  6. 時間の許す限り聞いて、音楽鑑賞が終了すればアンプの電源を切り、レコードをきちんとしまって、一連の癒しのセレモニーは完了する。

 以上のように、レコード芸術は、実施に手間隙かかり面倒なものですが、その時間的余裕や心のゆとりが人生には必要ですが、これらは現代人に欠落していると思います。

 真空管イコライザー(左上)と真空管アンプ(左下)によるレコード再生システムの一例を参考までに次に示します。このシステムでは、レコード盤に刻まれた音楽の信号をMCカートリッジで拾い、イコライザー経由で300Bシングルアンプに電気信号を送り込み、タンノイのスピーカーをドライブするものです。このシステムは、クラシック音楽向きです。

ある日のレコード再生システムの内訳

@ 真空管式フォノイコライザーアンプ
A MCフォノカートリッジ用昇圧トランス
B 同上
C 真空管式フォノイコライザーアンプ
D レコードプレイヤー
E MCフォノカートリッジ各種
F WE300B真空管パワーアンプ
G ワーグナー作曲・オペラ『タンホイザー』全曲のレコード(4枚組)の外箱
◎ 写真にはないが、さらにタンノイの大型スピーカーシステム


 アナログのもう一つの音源は、テープです。その中で最も音が良いのは、民生用ならば『2トラ・サンパチ』とマニアの間で呼ばれているオープンリールテープです。このようなテープを再生するテープレコーダーは、やや大掛かりなものとなり、面倒なものですが、音が良くてマニアックなものですので、マニアには好まれました。音楽が録音されたこのようなテープが市販されていましたが高価でした。『2トラ』とは、テープの幅全体に2トラック(ステレオの右と左)の音が録音されていることを意味しており、通常の裏表があるテープですと4トラとなります。『サンパチ』とは、テープの走行速度が38cm/secで、民生用のテープレコーダーとしては最速のスピードです。一般的には、デジカメの撮像素子と同様に、テープの録音面積が広いほど音が良く、またテープ速度は速いほど音が良いのです。そのようなテープの実例を次に示します。今の若者なら、見たことも聞いたこともないような物が以下にいくつか出てきますので、こんなものも以前にはあったのかと、オーディオの歴史の一部として参考にして下さい。

市販の『2トラ・サンパチ』オープンリールテープソフトの実例
(パイプオルガンの非常に迫力ある超低音が素晴らしいですが高価です)

『2トラ・サンパチ』の次のクオリティレベルのテープは、『4トラック・19cm/sec』です。このような音楽テープも以前には市販されておりましたが、その実例を次に示します。

市販の『4トラック・19cm/sec』オープンリールテープソフトの実例
(これは有名なドイツ・グラモフォン社のもの)

 以上の他に、一般によく知られているのは、『カセットテープ』で、『ウォークマン』のソフトとして一世を風靡しましたが、今や市場からほとんど消え去ったようです。これは小さなカセットの中にテープが収納されているので、上記の大きなオープンリールテープに比べたら、非常に小型・簡便で取り扱いが容易であり、世界中に広く普及しましたが、デジタルメモリ・ポータブルオーディオの簡便さには、とても太刀打ちできず、しかも音楽性能が劣るので消え去りました。テープに共通の欠点は、一回聞いたら、次に聞くときにはテープを巻き戻さないといけないという面倒なことがあることです。まだ、どこの家庭にも『カセットテープ』は残存しているでしょうから、その写真は省略します。
 なお、アナログの音をデジタル化して高音質で録音できるカセットテープよりも小型のテープがあり、DAT (Digital Audio Tape) と呼ばれていて、簡便で高音質なので一時は業務用にもよく利用されておりましたが、少し前からほぼ消滅状態にあります。筆者もこのテープを生録音などによく使っておりました。オーディオ界の遺産品の一例として、その実物を次に示します。

DAT生テープの実例


 有形のデジタル音源で現在最も普及しているのは、やはりCDでしょう。人間の可聴周波数範囲は20〜20,000Hzであると、どこにでも一律に書いてあり、なぜかこんな迷信が古くからあって、20,000Hz以上は聞こえないから必要ないと誤解していたためか、当初からの規格のCDでは、サンプリング周波数を44.1KHzに設定して、理論的にはその半分の周波数の22,050Hzまでしか再生できませんが、20,000Hzを上限のカットオフ周波数と決めて、それ以上の周波数の音はCDでは完全にカットしてありますので、全く出ません。上記のアナログレコードでは、そのような高周波数の音をカットするような操作はしてありませんので、CDよりも高い周波数の音まで入っております。
 【注】『サンプリング周波数』とは、サンプリングレートともいい、アナログ波形を時間的にどれくらい細分化してデジタルデータに変換するかということで、単位時間当たりの標本化の頻度・細かさを示すもので単位はHzです。
 人間の可聴周波数範囲は、加齢とともに次第に高音が聞こえなくなってきて、ついには10,000Hzくらいまで落ちることもありますので、高齢の人は別として、現実には20,000Hz以上の音が聞こえる人はたくさんいます。筆者が大勢の老若男女で実測したことがありますが、特に15歳未満の子供では皆さん20,000Hz以上の高周波数の音でも余裕で聞こえます。さらに、現実の音では、たとえば5,000Hzの基音でも、その倍音である5,000Hz×n倍の音(n=2,3,4,5・・・)が次第に減衰するとはいえ、n>4では20,000Hzよりもはるかに上の周波数の音もわずかに出ており、それが音楽の雰囲気に関係するということがわかり、もっと高周波数の音も再生できるSuper Audio CD (SACD) やDVD Audioなる規格も普及してきましたが、円盤自体のサイズは以前からの標準12cmCDと同じですので、ちょっと見には新規格のものとは気づかないかもわかりません。しかし、いずれの再生システムを利用するにしろ、音を拾う入り口であるマイクロフォンの周波数特性に問題があり、通常のものでは最高でも20,000Hzくらいまでしか拾えませんので(それ以上は大きく減衰)、それ以降の再生システム(オーディオ装置)がいくら高性能であっても、肝心の音の入り口であるマイクロフォンの性能で、それ以降が規定されてしまいます。ただし、マイクロフォンを通さないシンセサイザーなどの電子楽器では、そんな心配は全くありませんので、何万Hzの音でも簡単に出せます。しかし、ここで注意しないといけないことは、音の良さは単に周波数特性だけでは決まらないということです。その他にいくつかの要因が関係しております。次に、ちょっとユニークなCDの実例を示します。

ユニークなCDの実例 その1(上の写真)
(ウィーンで買ってきた丸い缶に入った2種類のCDで左側がその容器)

ユニークなCDの実例 その2(下の2枚の写真)
(モーツァルト生誕250年記念に出たCD170枚組の全集+解説のCD-ROM 1枚入り)

 その外箱(CDが171枚入っているのでかなり重い)  蓋を開けてジャケット入りCDを1枚取り出したところ
(ちなみにモーツァルトは筆者が一番好きな作曲家です)

 下に示すのは、アナログのコンパクトカセットの代替品として、より簡便に録再できるメディアで、1992年にソニーが発表した光学記録方式のディスクのMDです。CDの他に有形のデジタル音源として、少し前まで使われておりましたが、現在は市販されていないようで、短命に終わりました。その市販のソフトの実例を下に示します。

市販のMDソフトの実例
(左がケースで右がMD本体)


 最後に、ポータブルデジタルメモリオーディオのことに触れます。現在、特に若者の間で大人気のもので、専用機の他に携帯電話に入れて聞くこともでき、実に大勢の人たちが利用しているものです。筆者は、その原型が出始めた2000年前後の頃に、早速いくつかの機種を購入し、色々と試しておりましたが、その斬新さに驚愕した当時が懐かしく思われます。今となっては珍しいその当時の装置の一部を下に示します。この他に濃紺色で上質のSONYの製品など2,3ありましたが、どこかへ仕舞い込んだようで、今回は撮影することができませんでした。さらに最近になりi Podの仲間を3機種購入して使ってみましたが、やはり肌に合わなくて、筆者の研究補助をしてくれている学生諸君に、すべてプレゼントしてあげて非常に喜ばれました。

2000年頃に発売された初期の『デジタルメモリポータブルオーディオ』の実例
(いずれも聞くにはイヤホンが必要)


 このタイプの最近の商品の最大の長所は、超小型簡便でありながら、最大で約2万曲もの曲を、色々とグループ分けして入れておくことができ、しかもその中から希望の曲をすばやく取り出して聞くことができたり、プログラムして好きな曲を好きな順に聞くこともでき、しかも動くメカ部分が無いので省エネで振動にも強く、ジョギングしながら音楽を聞くといった使い方もできます。比較すること自体がおかしいかと思いますが、上記のレコードで聞く音楽とは全く異次元の世界です。筆者は、これらの全てを体験してきていますので、全てを比較すると、とても複雑な気分になり、時代は着実に流れていることを実感しております。この次は、次世代のユニークで斬新な装置として、どんなものが出てくるのでしょうか。
 イヤホンやヘッドホンで音楽を聞くと、耳に違和感や圧迫感があり、イヤホンケーブルが邪魔で(ワイヤレスもありますが)、しかも音像が頭の中に広がり、非常に不自然です。生演奏の場合には、オーケストラや歌手などは自分の前にいて、しかもある程度の距離があり、音は前方の少し離れた所からこちらへ聞こえてくるはずなのに、イヤホンオーディオでは頭の中から音楽が聞こえてくることが、どう考えても異常です。長期間にわたって、このような聞き方をしていると脳や聴覚になんらかの異常が発生する心配があります。筆者は脳波の研究もしておりますので、イヤホンオーディオが脳波に及ぼす影響について経時的に測定してみようかと思っております(筆者のホームページ:「脳波によるリラックス度の評価」をご参照下さい)。このことは、ポータブルのイヤホンオーディオとしての使い方の場合についてのことであり、室内でアンプとスピーカーにデジタルプレイヤーを接続して、昔からのオーディオのようにして聞けば、その点は大丈夫でしょうが。余談ですが、中高年の男性が片耳だけにイヤホンを入れて何かを聞いているのを時々見かけることがあり、なぜ片耳だけで聞いているのかと不思議に思っていましたが、ラジオを聞いていることがわかり納得しました。
 若者の一部には、外まで聞こえるくらいの非常に大きな音量で音楽を聞いていて、自分の世界に陶酔しているケースをよく見かけますが、こんなことをし続けていたら難聴になるのではないかと心配です。しかし、余計なお世話でしょうね。筆者は頻繁に健康長寿法の講演を各地でしておりますが、聴衆の中には、『あれやこれやと神経質になって注意して健康法を実行して少しくらい長生きするよりも、好き勝手なことをしまくって気楽に太く短く生きたいので、健康法なんかどうでもいいですよ』というような人も時々いますが、それはそれで結構なことだと思います。もっとも、このようなタイプの人は楽観的で、あれこれと神経質になって健康法を実行している人よりも、かえって長生きする可能性があります。このように現在の筆者は、何でも健康と結びつけて考えておりますが、余計なお世話もしております。
 とにかく、デジタルポータブルオーディオは、確かに簡便・安直なのですが、本当に色々なオーディオを、ずっと以前から40年くらいにわたって深くやってきた者としては、音に奥深い味わい・重厚さがなく、無味乾燥的で癒されるものではなく、イメージも大きいとは思いますが、これを積極的に利用しようとはとても思いませんし、現在は全くやっておりません。特にイヤホンで聞く音楽は、ノーマルな音楽とは思えませんが、省エネ・省スペースなどの時代になり、今更どうすることもできないでしょう。
 上記の明かりと無理矢理に対比するならば、レコードがろうそくであり、デジタルポータブルオーディオはLEDランプに相当するように思います。よって、癒し・ストレス解消には、ろうそくの明かりを灯して、真空管アンプでレコードを聴くのがベストだと思います。ただし、今からこれを新たに始めようとするのは、ろうそくのみは簡単ですが、残りのものは実行するのは、とても困難ではないでしょうか。ある専門家の話によると、オーディオは、生演奏の音と同じくらいの音量でスピーカーを鳴らし、生演奏を聞く時の演奏者と自分の距離と同じくらい離れて聞くのがベストだそうです。しかし、日本の住宅事情では、近所に気兼ねなく、そんなに大きな音で堂々と鳴らせるのは、ど田舎の大邸宅などのごくわずかの家だと思います。普通は狭い部屋で、隣の人が『音がうるさい!』と文句を言いに来ないか心配しながら、音量をあまり上げずに周囲に気を使いながら聞いているのではないでしょうか。そんなことなら、スピーカーでなくてイヤホンやヘッドホンで大きな音で聞こうとなるのは理解できます。これなら深夜でも、たとえ隣に怖〜い人が住んでいても、何も心配いりませんから。
 何事にも大きな時代の流れがあり、いくら自分が好きなことでも、製造終了・入手不可能・修理不可能などとなり、もはやどうすることもできない場合があって、いつまでも古いものにしがみついていることはできません。アナログオーディオもいずれは、ほぼ全てが過去の古き良き時代のオーディオ史の1ページになってしまうのだと思います。本稿のようなのは、単なる『年寄りのたわ言、断末魔の叫び!』だと思って下さい。ただし、このような仲間は、まだたくさんおります。
 しかし、イヤホンオーディオしか知らない今の若者に、上記のような本格的なオーディオ装置で、話の種に教会音楽などを聞かせてあげたいです。たとえば、パイプオルガンの一番低い音(16Hz)などでは、耳で聴くというよりも、床の振動を足の裏で聴くというような感じで、まるで弱い地震のようです。ゆっくりと揺れる空気の波が押し寄せて来るようだとも言えます。さらに、賛美歌などを歌う人の声も実に素晴らしいです。また、可聴周波数の上限より上の音も、耳で聴くというよりも、極細の針先で頭のてっぺんを、ごく軽くつつかれたような感じがします。ちなみに筆者の8.1チャンネルのホームシアターシステムでは、サブウーファーシステムとスーパートウィーターを増設して、16〜120,000Hzという超広帯域の音の再生が可能にしてあり、これでDVDやDVD Audioのソフトなどを再生しております。確かに、これで聴くと残響が後ろからも聞こえ、音域も超広帯域で、凄い臨場感が体験できます。これに関しては、筆者のホームページを参照して下さい(「オーディオと音楽について」)
 とにかく各人に最適の方法でストレス低減・癒しをして、健康増進・疾病予防・健康長寿に努めて下さい。この拙稿が、明かりと音源の面で、少しでも参考になれば幸いです。



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