オーディオと音楽について

若いときから単なる趣味として、この領域でも実に色んなことをやってきましたが、十数年前からは、健康増進・疾病予防・健康長寿の方法の一分野として、音楽による癒しとストレス解消による健康長寿法の研究を始めてからは、趣味というよりも仕事の一つとなり、様相が大きく変わってきました。すなわち、純粋に自分が音楽を楽しむだけでなく、いかにすれば皆様の癒しとストレス解消に最大限の効果が出るかという研究をするようになってしまいました。そして、ついに脳波計で計測したα波とβ波の平均電位の比から自称『リラックス度』を計算して数値化し、評価する方法を確立しました。これを活用して、いろんなジャンルの音楽、たとえば小川のせせらぎをはじめとする様々な自然音などの効果も検証しています。
その結果、ベストなものは、人によってまちまちで千差万別だということです。ちなみに私の場合、音楽で『リラックス度』がベストになる曲は、モーツァルトのヴァイオリン曲です。その一例として、聴く直前に比べて、モーツァルトの曲を聴くと、『リラックス度』は、なんと2.61倍も上昇しました。このことがわかるよりずっと以前(大学院生の頃)から私はモーツァルトの曲が大好きで、レコードやCD、資料などをたくさん所有しておりますし、ザルツブルクにあるモーツァルトの生家へ何回か訪問したことがあります。また、依頼を受けて、三重大学の中央図書館で、各種モーツァルトグッズを並べた『モーツァルト展』を開催したこともあります。その時には、モーツァルト研究の第一人者として非常に著名な海老沢 敏先生に特別講演をしていただき、大好評でした。
音の場合は、意外にも高音成分が癒しに効果があるようです。倍音(基本周波数のn倍の高音で、音楽の余韻に重要なもの)も関係すると思いますので、オーディオシステムでは、高音域がどこまで再生できるかは非常に重要なことです。決して人間の可聴周波数上限と言われている20,000Hzまでフラットに再生できればよいというものではなく、もっとはるかに上の周波数まで再生できる必要があります。さらに『ゆらぎ』も重要なようです。
※ゆらぎの解析方法※
まず音楽の複雑な音の波形をフーリエ変換して、そのパターンを、サイン波とコサイン波の単純な形にします。次に、その結果について、周波数を横軸に、強さを縦軸に、両対数グラフとして表示します。人間に心地よい『ゆらぎ』とは、各周波数成分がその周波数の逆数に比例して大きくなる場合です。そのために、周波数(frequency)のfの逆数ということで、1/fと書きます。これは自分で全てやるには難しそうですが、自動解析するソフトウエアがあり、それを使えばとても簡単に結果が出ます。
聴覚以外の視覚(色・景色など)、嗅覚(アロマなど)、味覚(飲食物など)、触覚(皮膚に触れるものなど)による癒しとストレス解消や脳波測定結果などについては、今後このホームページでも紹介していく予定です。すでにデータがたくさんあります。
オーディオマニア、特にクラシック音楽ファンは、レコードの溝に刻まれた音をオルトフォンのカートリッジで拾い、真空管アンプで増幅して、タンノイの大型スピーカーで聴くという例が多いようです。このようなシステムは、特にヴァイオリンをはじめとする弦楽器の音の再生には抜群です。下の写真がその実例です。スピーカーケーブルは、電気抵抗などの関係で『銀線』がベストだとマニアの間で言われており、高価なそれにしてみましたが、正直言って明確な効果があるとはとても思えず、高価があるだけです。さらにご丁寧に、そのようなケーブルの両端は、アンプ側とスピーカー側が決まっていて、電気信号の流れる方向に従って接続するようにとなっていますが、音の電気信号は交流なので、電気の流れる方向なんてありません。そんな馬鹿げたものに大金を払うのなら、コンサートへ行った方がましです。これは、ほんの一例ですが、私は過去に、このような無駄使いをたくさんしてきました。賢明なる皆さんは、もっと早く目覚めて下さい。経験者からのアドバイスです。
クラシック音楽に向くオーディオシステム
(超広角レンズで撮影したので映像が歪んでおり、さらに個々の装置が小さく見える。この写真の中に5台の真空管アンブがあり、そのうちの2台は自作品。上のほうにある黒いスピーカーは、あまり使ってないが、ジャズ用のALTEC社のもの。)
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上の写真のほぼ中央にあるWestern Electricの真空管300Bを搭載したアンプ (なめらかで柔らかい音がします) |
上の写真のシステム中の左右にある特に弦楽器の音の再生に向く大型スピーカー TANNOY GRF Memory (この右側の写真はグリルをはずしたところ) |
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16〜120,000Hzの音の再生が可能な8.1チャンネルAVシステム |
聴覚とストレス解消の研究用に、とにかく可能な限り周波数レンジの広い再生システムを構築しようということで、この写真のようなAudio Visual
Systemも組みました。これは音響的には8.1チャンネルで、50インチのプラズマディスプレイと同期しています。これにはスーパーウーハーとスーパートウィーターを接続してあり、再生可能周波数帯域は16〜120,000Hzという超広領域であり、ボリュームを上げると低音では床が振動して耳よりも足裏とかで音を体感し、高音は限りなく伸びていて、頭の頂点を針で軽く刺されたような感じのすごい音がします。まさに耳だけでなくて、
全身で音楽を聴くということになります。
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上の写真のAVシステムに接続してある16〜160Hzの音の再生が可能な超低音用サブウーファーシステム | 上の写真のAVシステムに接続してある9,000〜120,000Hzの音の再生が可能な超高音用スーパートゥイーター |
しかし、やはり音楽は生演奏が一番ということで、欧米のコンサートホールへも時々聴きに行きます。特にニューヨークのCarnegie HallやNew York Philharmonicの本拠地のAvery Fisher Hall、さらにジャズのライブハウスのVillage Vanguardへは毎年必ず行きます。生演奏は臨場感・迫力が最高です。よく行くニューヨークの演奏会場などの写真を以下に掲載しますので参考にして下さい。
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バレー専用劇場のDavid H. Koch Theater (通称New York City Ballet) 日本では年末に『第九』を聴くのが恒例になっていますが、ニューヨークではNutcracker (くるみ割り人形)のバレーを、生演奏を聴きながら見るのがそれに相当するようです。私は毎年、年末にここでNutcrackerを鑑賞して、ニューヨークで新年を迎えます。 |
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モーツァルト:フィガロの結婚 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 Carnegie Hall |