ニューヨークの写真展
ニューヨークは、私の心の故郷であり、都会の中では世界で一番好きな所です。なんでもあり、いつまでいても飽きることがありません。アメリカ留学の時にニューヨークの魅力や魔力を知って以来、頻繁に行っており、今や毎年の年間滞在日数は1ヶ月を超えますし、1回の訪問で数千枚の写真を撮影しますので、すでに非常に大量のニューヨークの写真を撮影してあります。海外の各地の写真も撮影し続けておりますが、海外ではニューヨークの写真が最も多くあります。そこで、今後テーマを決めて、色々なニューヨークの写真を紹介していこうと思います。
その1.イーストリバーから見たマンハッタンの夕景
夕日が沈む頃のマンハッタンの風景は、高層ビルがシルエットになり、背景の空の茜色が次第にフェードアウトして変化に富んでおり、とてもきれいです。そして、その様子をイーストリバー側から見ると最高です。以下の写真は、2013年12月31日の厳寒の中、国連に近いE.34th
St./Midtownのフェリーの最初の乗り場からフェリーに乗り、終点のWall St./Pier 11までを往復して撮影したものです。寒波襲来時の真冬のイーストリバーの上ですので、デッキの上は非常に寒く、対岸のブルックリン側から三脚を使って地上からの撮影なら容易でしょうが、風景は暗い上にフェリーが揺れて(特に各停船場に着く時の揺れは激しい)、写真撮影には非常に厳しい条件でした。以下は、そんな悪条件の中で、とても苦労してがんばって撮影した写真の抜粋です。なお、ここに示す写真にも写っていますが、イーストリバーには4本の橋が架かっており、北から南へ順に?@Queensboro
Bridge, ?AWilliamsburg Bridge, ?BManhattan Bridge, ?CBrooklyn Bridgeです。この中でBrooklyn
Bridgeは最も有名で、形も4つの橋の中でベストだと思います。以下の写真の中に写っているたくさんの被写体の中では、1枚目の左側の平たい大きな『国連ビル』、2枚目の中央付近に写っている『ワンワールド・トレードセンタービル』(9.11で崩壊したワールドトレードセンタービルなどの跡地に新たにできた104階建て541mの全米一高い新築ビル)、6枚目のちょうど中央の遠方にとても小さく写っている『自由の女神』などに注目してください。
余談ですが、美空ひばりの生前最後に発表されたシングル曲で、日本レコード大賞を取り150万枚も売り上げた大ヒット曲の『川の流れのように』の『川』は、実はニューヨークのイーストリバーなのです。この曲を作詞したのは秋元康氏で、彼はニューヨーク在住で、アパートがイーストリバーの近くにあり、いつもその川を眺めていたので、この川をイメージして、ニューヨークで作詞したものです。雨粒が集まって小川になり、さらに大きな川となり、ついには海へ流れていく様は、まさに人生と同じであるので、美空ひばりがそのようなことを盛り込んだ曲にして欲しいと希望を出して実現したものだそうです。イーストリバーを見ると、いつもこのことが頭に浮かびます。さらに余談ですが、私の家内は、美空ひばりの自宅へ行ったことがあり、その時の感想として、『とてもやさしくて、いい人やった!』と言っております。
その2.イーストリバーから見たマンハッタンの夜景
太陽が沈んで空が暗くなると、高層ビルの明かりが川面に反射してマンハッタンの夜景は、さらに輝きを増し、とてもきれいになります。以下の写真は、やはり厳寒の2013年12月28日に上記の夕景と同様にして非常に苦労して撮影した写真からの抜粋です。1枚目の左寄りに円錐形に白く写っているのが『クライスラービル』で、その右寄りにある大きな建物は『国連ビル』です。『エンパイアステートビル』は、時季によってライトアップの色が異なりますが、この頃には2枚目の中央にあるように、アフタークリスマスカラー(赤と緑の縦縞)にライトアップされており、マンハッタンで一番絵・写真になるビルです。
その3.セントラルパークの雪景色
2014年1月2日の夜に降った雪は、翌朝になるとかなり積もっていました。そこで早速マンハッタンで一番の雪の見所であるセントラルパークへ行って、雪景色をたくさん撮影しました。その一部を以下に示します。公園の端に高層ビルが林立しているのが、いかにもニューヨークという感じがします。公園内の雪のスロープの上では、スノーボードなどで滑っている人が何人もいました。常設のアイススケートリンクもあります。
その4.メトロポリタン美術館の名画
メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art, 通称:Met)は、1870年に開館した総合的に見て世界一クラスのものすごい美術館です。最近の年間の来館者数は500万人を超えており、あまりの人気なので、従来は毎週月曜日が休館日でしたが、昨年から年中無休となりました。ただし、クリスマスと元旦は休館です。ニューヨークへ行ったら訪れるべき名所の第1位でしょう。私も毎年行っておりますが、特に18世紀の西洋の印象派の絵のコーナーへは必ず行きます。
館内は広すぎて順路を作ることは不可能で、まるで巨大迷路のようであり、始めて行った人は館内で迷子になることは確実です。見終わって、すんなりと出口へ行けることはほとんどないでしょう。全部の展示作品を見るには、少なくとも3〜4日は必要と言われておりますが、丸一日見て回ったら、足がくたくたで、夕方になると美術品をじっくりと鑑賞しておれません。さらに、ここに示す写真は全て2011年12月に撮影したものですが、外はものすごく寒いのに館内は暖房が効き過ぎていて、汗ばむほどであり、そのことも長時間じっくりと名画に没頭しておれない問題点でした。
日本では考えられないことですが、1枚数十億円もするような世界的名画が、大量に壁にさりげなく掛けてあり、特別の場所以外は、その前にロープを張ったりしてなくて間近で見れることです。ただし、あまり近付き過ぎると係員に注意されます。さらに驚くことには、ストロボを使わなければ写真撮影が自由であり、なんと絵の具で模写しても構わないことです。時々、展示してある名画を見ながら模写している人を見かけます。
写真撮影は非常に苦労しました。撮影しようとする名画の前に人がいなくなるのを待たないといけませんし、真正面から撮影しないと台形歪が出ます。さらに大きな作品の場合は、下から見上げるようにしての撮影になりますので、必ず台形歪が発生し、底辺よりも上辺が短く写ります。ここに示すような名画は、この美術館に絵葉書として売っていますし、美術書や教科書にも掲載されたりしていますが、すべて絵のみであって、額縁まで入っているのはないのではないかと思います。しかし、額縁は絵の衣装のようなものであり、よく見るといずれもそれぞれの絵にふさわしい額に入れられており、絵を鑑賞するには額縁は必須だと思います。その点では、以下に示す名画の写真は、いずれもそこに展示されているままの額縁入りであることが貴重だと思います。なお、絵のタイトルや年号などは、原文のまま転記しましたが、とても長くて変なタイトルがあります。
さて、名画を見ると気分が休まり、ストレス解消になって、健康増進にも効果があるはずですので、現地へ行って見て欲しいのですが、たとえパソコンのモニター上であっても効果はあると思いますので、ぜひゆっくりとご覧いただき、リラックスして下さい。毎年行って撮影しておりますので、メトロポリタン美術館の名画のほとんどはすでに撮影してありますが、今回は自分の好きなものを少しだけ抜粋して以下に展示します。私は特にルノアールが好きでして、彼の絵を見ていると、ほんわか・ほのぼのとして本当に気分が休まります。ちなみに、世界中でルノアールの作品を一番多く所蔵しているのは、ニューヨークから車で2時間半くらいで行けるフィラデルフィアにあるThe
Burnes Foundationで、なんと182点もあります。Burnesさんは、目薬で大成功した実業家で、ずっと以前からこつこつと蒐集して、自宅に飾っていたそうですが、最近は管理が大変になり、美術館を作って限定的に予約制で見せてくれるようになりました。私も予約して見に行きましたが、所狭しと大量の絵が飾ってあり、展示スペースの割には絵が多過ぎて、ちょっと展示密度が高すぎるという印象を受けました。ルノアール好きの方は、ぜひ行って下さい。
メトロポリタン美術館の正面玄関(5番街に面している)
ルノアール:Pierre-Auguste Renoir, French (1842‐1919)
ルノアールの作品の展示コーナー
(人がいなくなるのを長く待ってから撮影:以下同様)
Two Young Girls at the Piano, 1892 | Young Girl Bathing, 1892 |
The Daughters of Catulle Mende’s, Huguette (1871‐1964), Claudine (1876‐1937), and Helyonne (1879‐1955), 1888 |
Reclining Nude, 1883 |
Bouquet of Chrysanthemums, 1881 | Madame Georges Charpentier (nee Marguerite-Louise Lemonnier, (1848‐1904)
and Her Children, Georgette-Berthe (1872‐1945) and Paul-Emile-Charles (1875‐1895),
1878 |
A Waitress at Duval’s Restaurant, ca. 1875 | By the Seashore, 1883 |
Tilla Durieux, 1914 | A Young Girl with Daisies, 1889 |
In the Meadow, 1888‐92
モネ:Claude Monet, French (1840‐1926)
モネの作品の展示コーナー
Camille Monet (1847‐1879) on a Garden Bench, 1873 |
Path through the Irises, 1914‐17 |
Water Lilies, 1919
Bridge over a Pond of Water Lilies, 1899 | Water Lilies, Reflections of Weeping Willows, ca. 1916‐19 |
ゴッホ:Vincent van Gogh, Dutch (1853‐1890)
Wheat Field with Cypresses, 1889 | Irises, 1890 |
Cypresses, 1889 | Self-Portrait with a Straw Hat, 1887 |
Oleanders, 1888
ドガ:Edgar Degas, French (1834‐1917)
ドガの作品の展示コーナー
The Dance Class, 1874 | Dancers Practicing at the Barre, 1877 |
The Dance Lesson, ca. 1879 | Dancer with a Fan, ca. 1890‐95 |
The Dancers
フェルメール:Johannes Vermeer, Dutch (1632‐1675)
フェルメール作品の展示コーナー
Woman with a Lute | Study of a Young Woman |
Young Woman with a Water Pitcher | Allegory of the Catholic Faith |
A Maid Asleep
★ フリック・コレクション (Frick Collection)
ニューヨークの五番街の東側に面しており、セントラルパークの南よりの西の部分にも面している位置にあります。鉄鋼王のHenry Frick氏のコレクションを彼の旧邸宅で一般公開しているもので、1913年の開館です。メトロポリタン美術館とは異なり、この美術館内は撮影禁止ですので、後に示す絵は全て美術書の絵を撮影したものです。ここには、後に示すフェルメールの絵が3点所蔵されています。
ここで2013年の12月に、フェルメールの有名な名画『真珠の耳飾りの少女』の特別展があり、見に行ってきました。この絵は、オランダ・ハーグにあるマウリッツハイス美術館蔵で、別名は『青いターバンの少女』といいまして、1665〜1666年作とされておりますが、それを一時的にここで展観されたものです。この絵は、日本と同様にニューヨークでも大人気で、厳寒の時に1時間半くらい並んで入場を待ちました。その関連の写真を次に示します。
美術館の近くの街灯の支柱に 下げられていた広報ポスター |
入館時にもらったパンフレットの表紙 |
美術館の西側から南側へと並んでいる人並み。 入り口は写真の右端付近(南側)。 |
正面玄関入り口付近 |
正面玄関右側にあるポスターとクリスマス シーズンなのでリースが飾ってある。 |
GIRL WITH A PEARL EARRING, c. 1665-1666 |
OFFICER AND LAUGHING GIRL, c.1658-1660 |
GIRL INTERRUPTED AT HER MUSIC, c. 1660-1661 |
MISTRESS AND MAID, c. 1667-1668 | Frick Collectionで記念に買ったマグカップ |
“VERMER THE COMPLETE WORKS”
Frick Collectionで記念に買ったフェルメールの全作品35点の立派な解説書の表紙
(27 x 37cmのかなり大きな本)
【参考資料】
次に示すのは、三重県鳥羽市の観光パンフレットの表紙で、鳥羽市観光キャンペーンガールの中川静香さんが演ずる『真珠の耳飾りの海女』がプリントされています。彼女は、三世代海女の大学生です。
その5.クリスマス・シーズンの風景
ニューヨークは、四季折々にそれぞれ素晴らしいのですが、特にクリスマス・シーズンになると街中がクリスマスムード一色に包まれて輝きが最高潮に達し、気分がルンルン・ワクワクして最高です。ニューヨークへ行くのなら、絶対にクリスマス・シーズンです。日本ではクリスマスムードは12月25日までで、翌日からは迎春モードに完全に切り替わりますが、アメリカでは日本と違って正月に特別な行事は何もありませんので、11月から1月の第一週くらいまでクリスマスの飾りつけなどがしてあり、1月に入ってもまだクリスマスムードなのは、初めて行った日本人は奇異に感じることでしょう。日本では、1月5日に”Merry
Christmas!”なんて有り得ませんから。
ニューヨークのクリスマスの代表的なものの例として:日本でも点灯式の様子が報道されるロックフェラーセンターの超大型のクリスマスツリー、その向かいの高級デパートSacks Fifth Avenueの外壁に投影されるクリスマスの種々のパターン、エンパイアステート・ビルディングの上部の赤と緑のクリスマスカラーのライトアップ、ブランド店などのウインドーディスプレイ、郊外の高級住宅街のHouse Decorationの競演、年末恒例のパーフォーマンス:バレー『くるみ割り人形-』、”Christmas Spectacular” at Radio City Music Hall、”Messiah” などたくさんあります。これらを見たり聴いたりすると、とても感動して幸せな気分になります。『百聞は一見に如かず』ですので、皆さんもこの頃にニューヨークへ行ってぜひ体験してみて下さい。本当に素晴らしいですよ。
筆者は毎年この頃はニューヨークに滞在しており、以下に示す写真は、最近数年間に何台かのカメラで撮影したニューヨークのクリスマス風景の中のほんの一部ですが、少しでも、その雰囲気が分かっていただければ幸いです。
“Merry Christmas” と “Happy Holidays” について: クリスマスの頃の英語のあいさつ文は、日本では “Merry Christmas” ですが、アメリカでは “Happy Holidays” が一般的です。それには宗教的な理由があり、キリスト教以外の宗教の教徒には気分がよくないからだそうです。”holiday”
は一般に時期を問わない『休暇』という意味なのですが、“Happy Holidays” となると、クリスマスの頃に限定されますが、日本人には、ピンと来ない表現ですねー。下の写真に示すSacks
Fifth Avenue のデパートの外壁に投影されているクリスマスの挨拶文も “Happy Holidays” となっていますので、よくご覧ください。
さらに、別のクリスマスのメッセージとして、クリスマスカードのヘッディングやクリスマスケーキの上面などに書いてある表現で、”Season’s Greetings” というのもあります。下に示すクリスマスケーキのアップの写真をご覧下さい。