HOME > コスタリカの山奥で『火の鳥』を撮影

ジャガーの棲むコスタリカの山奥で『火の鳥』の撮影に成功!

バードウォッチングについて

 アメリカに留学していた時に、Ornithology(鳥類学)の実習で、泊りがけでテキサス州海岸のメキシコ湾まで希少鳥類であるWhooping Craneの観察旅行に行ったり、野鳥の会の元祖とも言うべきAudubon Society(本部:ルイジアナ州)に所属して活動していたこともあり、私はバードウォッチングも好きで、よくやっています。ただし、海外と比べると日本は全くお粗末で、そう簡単には素晴らしい野鳥を見ることができませんし、欧米の野鳥に比べると全体に地味過ぎます。たとえばアメリカなら、住宅街でも、赤(カーディナル)、青(ブルーバード)、黄(オリエ)のような鮮やかな原色の美しい野鳥が普通にたくさん見られ、人が簡単に中を見ることができるような巣を、とても低い位置の木の枝に作ったりしています。こんなことは日本では全く考えられません。なぜなんでしょうね?また、オーストリアのシェーンブルン宮殿のような街中に普通にいるカラスでも、日本のように黒一色ではなくて、下に写真を示すように、頭と羽根が黒く、残りの部分は少し青味がかった灰色のツートンカラーに色分けされていて、なかなかお洒落で美しく、日本の真っ黒なカラスを見慣れた日本人には、カラスとは思えません。さすがウイーンという感じです。『ガー・ガー』と鳴かずに、ウインナワルツでも口ずさんでいそうです。もっとも、このカラスは、ウイーンだけでなく、ヨーロッパに広く棲息していますが。この鳥の名前は『Hooded Crow : ズキンガラス・ハイイロガラス』です。




幻の鳥 ケツァールを見るためコスタリカへ

 バードウォッチングが非常に好きで、アメリカ留学時代に仲良くなって現在でも交流を重ねている(お互いの自宅へも行き来する)アメリカ人の親友(獣医師)の誘いもあり、なかなか見ることの出来ない超珍鳥の英語名:Quetzal(ケツァール)、英語の正式名:Resplendent Quetzal、和名:カザリキヌバネドリ、学名:Pharomachrus mocinnoを見に中米のコスタリカへ行き、ついにその撮影に成功しました。なにしろ世界に40羽くらいしかいないと言われている超珍鳥なのです! 2008年5月3日から13日まで行ってきました。とてもラッキーなことに、そのオス、メス、幼鳥の全てを撮影することができました。

 ケツァールは、手塚治虫の漫画『火の鳥』(不死鳥)の主人公でもある伝説の鳥のモデルだそうです。この鳥の別名は、火炎鳥、フェニックス、鳳凰などいくつかあります。100歳になると自らを火炎で焼いて再生して若返り、それを繰り返すことで永遠に生き続けることができる不死鳥です。これは仏教の世界の輪廻の考え方が背景にあるように思います。この鳥は時空を超えて羽ばたき続けることができる超生命体として描かれています。またこの鳥に関わりを持った人の魂を吸収して体内で同化し、永遠に生かし続けるということです。私も何回かこの鳥に遭遇して、お互いに見合いをしておりますので、私の魂も将来はコスタリカの山奥で生き続けることでしょう。以上のことは、健康長寿の研究をしている筆者として非常に興味深いことです。

 ケツァールはオスの全長が、なんと約1mもあり、胴体が約40cmで、尾羽が約60cmのとてもきれいで優雅な鳥です。現地で購入した図鑑の絵を右に紹介します。写真で見るよりもずっと鮮明に細部まで描かれています。ただし、後に写真を示すように、顔は実物の方がもっとかわいいです。眼がくりくりとまん丸で、こんなに可愛い鳥の顔は他にはないのではないかと思います。

 ケツァールの主食は、野生のアボカドの実です。我々が普段食べているものとは違って、ギンナンくらいの大きさしかありません。コスタリカの山中には、その木がたくさんあり、その近くでじっと待っていると、ケツァールがやってくることがあるそうです。

 この鳥は、コスタリカの熱帯雲霧林の高地山奥にいて、普通ではなかなか見ることができないのですが、私たちは現地のベテランガイドを雇い、チップをはずんで特別に山中を案内してもらいましたので見ることができて、とてもラッキーでした。もっとも、ガイドを雇わずに自分たちだけで深い山に入ると、山から出て来られなくなり、遭難する心配がありますので、ガイドは必須です。今回の旅ではコスタリカ内を、終始レンタカーで移動しました。また、位置(緯度・経度・高度)の確認は、定評ある米国Garmin社製のGPSで行いました。
 恐ろしかったのは、そのガイドが『この山にはジャガーがいるので十分に注意してください!』と言ったことです。そして、『もしも出会ったらどうするのか?』と聞くと、『食べられるしかない!』との返答で、さらに恐ろしくなりました。そんな山中を数日間歩き回りましたが、幸いなことにジャガーには遭遇しませんでした。でも、襲われるのは嫌ですが、ちょっとだけジャガーを見たかったです。余談ですが、私は車のジャガーは好きで、よく乗せてもらっています。

 私が非常に苦労して撮影に成功したケツァールの貴重な写真の一部を次にご覧下さい。鳥を見つけるだけでも非常に困難ですが、やっと見つけても深い熱帯雲霧林の原生林の木の枝に止まっていますので、その手前にあるよく茂った木の枝や葉が邪魔になって、鳥の全身像を見ることができず、なかなか良い写真が撮影できませんでした。深い山奥にいる用心深い鳥ですので、少し近づいただけでも逃げてしまうために、かなり遠くからの撮影しかできません。また、山中はジャングルのように木々が生い茂り、道はほとんどなく、さらに地面に平らな部分がなくて藪のようですので三脚が使えません。そこで手ぶれ補正機能付きの最も明るい白くて長い超望遠レンズを付けた数キログラムもある重いカメラを左手で持ち、右手でシャッターを切って撮影しましたので、毎日夕方には、左の腕や手が麻痺していました。そして帰国後には、左手の腱鞘炎の治療に、整形外科へしばらく通いました。本当に大変な撮影でしたが、念願のケツァールの写真がついに大量に撮影できて、本当に良かったです。私は10歳から写真をやっており、現在まで実にさまざまな写真を撮影してきましたが、その中で、このケツァールの写真は、撮影の難易度を含む総合評価でトップクラスに入る力作であるのは確実です。
 今回は非日常の旅で、ストレス解消に大きく貢献し、健康増進に役立ったと思います。

ケツァールの写真一覧



   飛び立つところ  アップで見るととても
かわいい顔ですね 


 現地で買ってきた
木彫りの置物
(左の高さ:約30cm)

コスタリカの野鳥

 コスタリカには、ケツァールよりもっとはるかに容易に誰でも観察や撮影ができる、とても美しい野鳥があちこちに普通にたくさんいて、バードウォッチャーの天国です。山荘の近くなどで撮影した野鳥の写真を、少しだけ次にお見せします。ケツァールの撮影の困難さに比べれば、こんなのは簡単すぎて比較の対象外です。ただし、たくさんいるハミングバードは、花の蜜を吸っている時は、ホバリングしていて動きが激しく、鮮明な写真の撮影はやや難しいです。現地で入手したハミングバードの解説書には50種類の図が掲載されています。コスタリカにはものすごい種類のハミングバードがいるんですねー。驚きました。日本の四国と九州を合わせたくらいの面積のコスタリカにいる野鳥の種類は850種類以上だそうです。ちなみに日本には約540種類、全世界では約9000種類いるそうです。







バードウォッチングには手ぶれ補正機能付きの双眼鏡がおすすめ

 余談ですが、バードウォッチングの時に使う双眼鏡は、手ぶれ補正機能が付いたのが一番です。普通の双眼鏡ですと、保持している自分の手が、どうしても不可避的にかすかに揺れているために、双眼鏡を通して見える像は、揺れがより大きく拡大されて、対象物(鳥)がとても見づらく、長く見ていると眼がかなり疲れます。しかし手ぶれ補正機能が付いていると、ピタリと像が止まって、まるで肉眼で見ているようで、鳥の細部までもよくわかり、長く見ていても眼が疲れません。入門者によくある間違いは、20倍とか30倍とかの非常に高倍率の双眼鏡(たいてい二流品で安価)を買えば、より大きくアップで見えていいだろうと思うようですが、大きな像がフラフラと揺れて非常に見にくい手ぶれのことが眼中にないことです。非常に高倍率の双眼鏡は、三脚に固定するのなら別ですが、手持ちでは像が大きく揺れて、とても見づらく、眼が疲れるのです。また、いくら上等のレンズや明るい(口径の大きな)レンズを使っていても、手ぶれ補正機能がなければ像がぶれるのは同じです。やや高価ですが、ぜひ手ぶれ補正機能が付いた双眼鏡を使って、快適な観察をして下さい。
 私が愛用している手ぶれ補正機能のついた双眼鏡を最後に紹介しておきます。

私が愛用している手ぶれ補正機能の付いた双眼鏡
 Canon 12x36 IS U(単3乾電池2本で駆動) 

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