HOME >レーモンドホール・リニューアル記念特別写真展『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』

レーモンドホール・リニューアル記念特別写真展
『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』

 三重大学のメインキャンパスは、全5学部が一ヶ所に集まっていて、その面積は日本の各大学のメインキャンパス単独(附置施設などの別の敷地の面積を含めない)の広さの中では、かなり上位にある広大なものであり、草むら、茂み、林、田畑、広い空地なども点在していて、とてものどかな所です。三重大学のキャンパスの東の端は伊勢湾に接しており、白砂青松のシーサイド大学として珍しいものです。晴れた日には対岸の渥美半島や知多半島も見えます。そして、空の翠・松の翠・海の翠にちなんで、ここは古くから『三翠(さんすい)学園』と呼ばれています。さらに、キャンパス内には本格的な日本庭園の『三翠園』があり、その庭園の中に登録有形文化財の『三翠会館』があります。このように、三重大学は非常に素晴らしい環境の中にあり、日本一の環境先進大学として数多くの表彰を受けていますが、さらに世界一を目指して、目下全学を挙げてがんばっているところです。
 三重大学は上記のような素晴らしい環境の大学ですので、四季折々に美しい花があちこちに咲き乱れていて非常に美しく、10歳から写真をやっている凝り性の筆者としては、それらを撮影せざるをえず、折に触れて大学の風景の撮影をずっと続けております。写真は、チャンスと構図が最も重要であると思いますが、普通の花であれば一週間から10日くらい咲いていても、その間で最も美しいのはほんの二、三日に過ぎず、さらに自然任せの天候や出張など自分の都合もあって、撮影はなかなか思うようにはいかずに、『また来年!』なんてあきらめることも多々あります。長年の経験によって良い構図の写真ができますが、たとえば手前に満開の桜の花を入れて背景に建物を入れた写真を、普段はとらないような特別の姿勢や角度で撮影すると、普段では見慣れない凝った新鮮な写真になり、見た人は驚くことが多いようです。高い脚立に乗って少し上の位置から撮影することもあります。あまり凝った写真にすると、大学関係者でも『こんなきれいな所が三重大学内にありますか?』とか、『どうやってこんな写真を撮影したのですか? CGではないですか?』なんてたまに聞かれます。三翠園は、晩秋から初冬にかけての紅葉や落葉と、初夏のアジサイが特に素晴らしく、他にも色々な花が咲きますが、キャンパスの南西の隅にあり、木々が生い茂っているためか、ほとんど誰も入園しません。そのために学生たちは、ここを『幽霊屋敷』と呼んで近付こうとしませんし、庭園内に一度も入らずに卒業していく学生諸君が大半だと思います。
 ずっと以前(30年くらい前?)には、筆者が独自に、ここの庭園内にある『あづまや』で研究室の卒論生のゼミをやっていたこともありました。その『あづまや』の位置は、後出の写真にある当庭園の配置図の中に記載しておきました。この三翠園は三重大学の隠れた名所で、筆者は写真撮影などでよく行きますが、一度も誰かと出会ったことはなく、まるで自分専用の庭のような感じで、いつも1人で楽しんでおります。
 写真集『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』用として、すでに一万枚の写真を撮影してあり、さらに現在も撮影し続けておりますが、その中からごく一部を以下に展示します。言わなければ誰も気付かないでしょうが、全ての写真の中で、撮影が一番大変だったのは、アジサイは雨が似合うとのことで、大雨が降るのを待っていたところ、ついにその日が来て、凝り性なのでじっくりと1時間くらいかけて、土砂降りの中のアジサイの写真を色々と撮影した時のことです。雨が強くて傘はあまり役に立たずに下半身はずぶ濡れで靴の中も水浸し、顔と手は藪蚊に何ヶ所も刺されて赤く腫れて痒くてたまりませんでした。その時の大変だった写真もここに掲載してありますので、その撮影苦労話も書いておきました。
 花言葉は、色々ありますが、代表的なものを選んで記載しておきました。
 どうぞ美しい三重大学の景色をお楽しみ下さい。


私と写真について

私は、たくさんの趣味を持っておりますが(そのいくつかは、私のホームページに紹介してありますので、ご参照下さい)、その中で最も古くからやっているのが写真でして、10歳の頃から始めて現在に至っておりますので、すでに50年以上もやっていることになります。いったんやろうと決めたことは何事も、とことん追求する凝り性の性格なので、写真は顕微鏡写真から天体写真まで、非常に幅広く深くやっております。最近は、地上でモニタを見ながら無線で撮影できるデジタルカメラを搭載したラジコンヘリで空撮までやり始めましたが、写真撮影以前に、ヘリコプターの操縦そのものが非常に難しくて何回も墜落させてしまいましたが、これは今まで私が体験してきた様々な写真撮影の中で最も厄介なものです。
 所有している機材も普通ではありません。そんなこともあり、大学や学会の公式の写真係も拝命しておりまして、たとえば『三重大学概要』の最初のページにある学長先生の写真も私が撮影しています。
 写真で最も重要なことは①シャッターチャンス、②構図、③ボケ味だと思います。は、ともかく歩きまくって足で稼がないといけません。そして見つけた決定的な瞬間を記録するのです。は、芸術的センスと経験が物を言います。は、特にポートレートなどで重要なことであって、目とか主題の最も重要な部分にはピントがキリリと合い、それよりも前とか背景は味わい深くムーディーにボケでいると主題が浮き上がり、写真は平面で2次元的なものにもかかわらず、立体的に3D的に見えるのです。このような写真を撮影するには、大口径で上質のレンズが必要になります。たとえば手元にある35mmフルサイズ用のレンズの実例として、50mm, f0.95, f1.0/85mm, f1.8/300mm, f2.8などです。しかし、このようなレンズは、いずれも大きい、重い、高いという三重苦に悩まされますし、機動性に欠けます。
 私は、ずっと以前から折に触れて年中キャンパス内のあちこちをよく歩いておりますが、それでわかったことは『三重大学はとても美しい』ということです。特に三翠園や総合研究棟Ⅱ周辺(いずれも昔の農学部の領域であり、歴史があるので大きな木々もたくさんある)は、四季それぞれにとても美しい景観を呈しております。そんな素晴らしい景色をCrazy Photographerの私が何もせずに放っておくわけがなく、桜が咲いた、紅葉が美しくなってきた、雪が降ってきたなど、それぞれの場面でカメラを持ち出して撮影開始となります。こうして撮影した三重大学の写真は、すでに約1万枚にもなり、どこに何があるのかわからなくなってしまいましたが、そこから400枚弱を厳選して、私個人のホームページに『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』と題した写真集がアップロードしてありますので、よろしければご覧下さい。展示の依頼を受けまして、さらにその中から約30枚のみを選んで今回の展示となりました。いずれは本にしたいと思っております。
これらの写真は、決して大学の年中行事の記録ではなくて、あくまで自然、特に花と大学の関係についての写真です。普段に普通では見ないような特別のアングルで撮影した写真とか、最も色がきれいな時の紅葉を透過光で撮影したために信じられないほど赤い色が鮮やかで、しかも専門のラボで印画紙にプリントしてもらったのですが、その操作でより一層鮮やかになり、身近にいる口の悪い連中に『コンピュータグラフィックスやろ!』とか言われております。
 長年にわたって三重大学に勤務しておられる皆様でも、こんなに美しい三重大学の風景を、ご覧になった方は少ないのではないかと思います。ましてや4年間のみ在籍して卒業していく学生諸君は、そのほとんどが三翠園へ一度も入ったことがないようです。しかも学生諸君の間では、三翠園はずっと以前から『幽霊屋敷』と呼ばれていて、『お化けが出るので近付かないほうがよい!』などと言われていることを知り、愕然としました。そんなこともあり、私の提言もあってか、最近になってやっと広く公開されるようになりましたが、それまでは、いつ行っても誰もおらず、完全に私の貸し切り状態であり、写真撮影をしていても、まるで自宅の庭のような錯覚がしました。

【以上は、この写真展で掲示した文章そのままです。】



レーモンドホール・リニューアル記念特別写真展
『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』


 三重大学の南門を入ってすぐ右手にあるレーモンドホールは、設計者アントニン・レーモンドにちなんで、レーモンドホールと呼ばれており、三重大学では三翠会館に続く二つ目の登録有形文化財の建物です。この建物の外観や歴史などについては、大学のホームページからご覧ください。
 この建物のリニューアルが完成したのを記念し、三重大学の広報も兼ねて、学内外の皆さんに三重大学の素晴らしさを、さらによく知っていただくことを目的として、2014年6月5日から7月4日まで、このホールで標記の写真展が開催されました。その内容は、同名の私の写真集(http://hiroshi-t.com/mie-u-seasons.html)の中にある約600枚の写真から苦労して32枚を選び、A1とA2の大きなサイズの印画紙にプリントしてパネルに貼り、かなり凝った展示をしました。展示ホールの入り口のすぐ右手には、内田淳正学長からの身に余るメッセージが掲示されました。さらにこの写真展の名称の『四季』にちなんで、ヴィヴァルディの四季などの『四季』が曲名に入っているクラシック音楽のCDを、趣味で自作した真空管(KT88)アンプとJBLのスピーカーでバックミュージックとして流し、さらに白檀のお香も焚きましたので、この会場に入ると名曲が流れ、良い香りがして、これらのサブエフェクトも皆さんに非常に好評でした。
 展示会開催の前日には内覧会が開催され、内田学長、朴恵淑理事・副学長、新聞記者はじめ大勢の方に出席していただきました。この展示会については、NHKテレビで複数回放映されましたし、新聞4紙にも掲載され、お陰様でかなり話題となりました。
 さらに引き続いて、附属病院の新入院病棟の廊下でも、全く同じ写真の展示をしていただきました。その現場を偵察に行った時に、非常に熱心に写真を見ている患者さんから直接聞いたところ、『大きな手術をして病院内を散歩しているが、このような美しい写真を見ると癒されます。』とのことで、撮影者として非常に嬉しかったです。
 また、8月上旬に開催された受験生と父兄向けのオープンキャンパスの際に全員に配布された『うちわ』にも、今回の写真から春・夏・秋・冬の写真の中から各1枚を選出してプリントされております。来年もこのうちわが配布される予定です。
 以下に今回の写真展の一端を写真で紹介しますのでご覧ください。
 なお、この写真展の開催につきましては、内田淳正学長と朴恵淑理事・副学長、さらに三重大学施設部の皆様に格別のご支援・ご協力をいただきましたので可能となったものです。皆様に心より厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

以下の各写真をクリックすると拡大され鮮明度も向上します。

この写真展の案内チラシの表面(左)と裏面(右)


レーモンドホール入り口  祝賀花もたくさんいただきました 


会場入り口を入ってすぐ右側の壁面に掲示された学長からの祝辞文


自筆の祝辞文を見ておられる学長   左から朴理事・筆者・学長(内覧会で)

   大型モニターで今回の元の写真(約600枚)
のスライドショー中(左端)

AVコーナー
A:真空管アンプでバックミュージック
V:大型モニターでスライドショー 
自作KT88真空管アンプとJBLスピーカーなど 

    お香コーナー(香炉や線香)

 朝日新聞の取材を受けているところ  

休憩コーナー(茶菓あり)   写真を見た後に朴理事(後ろ向き)らが討論中



朝日新聞の記事   伊勢新聞の記事



産経新聞の記事   中日新聞の記事

NHKの取材を受けているところ


引き続き附属病院の新入院病棟の廊下で開催された写真展
『美しき三重大学 ― 四季の彩り ―』


オープンキャンパスで受験生・父兄に配布されたうちわ(今回の写真が印刷されている)