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中級レコードプレイヤーの話やニューヨークの最新トレンドなど

★Record と Vinylの違い 

 Recordは、エジソンの時代の当初からの名称です。さらにSPレコードとなり、最終的にはLP盤が開発されて現在に至っておりますが、それまでのSP盤のシェラックで固めた材質からVinyl (フルネームだと:Polyvinyl chloride)に変更になって音質が飛躍的に良くなり、それまでの古い材質のものと敢えて区別するために、わざわざVinylと呼ぶようになって現在に至っています。従って、広義にはすべてRecordでよいのですが、SP盤をVinylと呼ぶことは、経緯からすると正しくないと思います。ニューヨークで実際に調査したところ、レコード売り場は、ほとんど全ての店でVinylと書いてあり、さらに中古のLPレコードにはVintage Vinylと書いてありました。
【注】Vinylは日本では『ビニール』と発音しますが、英語では決して『ビニール』とは発音せず、『ヴァイヌル』のような発音をします。発音記号で書くと【vainl】であり、【a】にアクセントがあります。アメリカなどで英語で言う時には発音に注意してください。『ビニール』と言っても通じませんので。

★Record Player と Turntable の違い

レコード盤を乗せて回転させ、カートリッジで音を拾うのに必要な最初の装置で、それの名称はRecord Player でも Turntableでも正しいのですが、上記のこともあるのか、ニューヨークではTurntableのほうがよく使われています。Record Playerの日本語表記法についてですが、英語でのPlayerの発音記号は【pleɪə】でeにアクセントがあり、長音符号は全くありません。それゆえに、英語の発音に近く表記すると『レコードプレイヤ』となります。しかし、日本語の慣例ではなぜか『レコードプレイヤー』か『レコードプレーヤー』です。折衷案で、私は前者を採用しております。
 Turntableは一般に回転盤の総称であり、レコード音楽のマニアならTurntableと聞けば、すぐにRecord Playerを思い付くと思いますが、レコードに全く興味がなくて中華料理の好きな人は、例の回転式食卓を思い出すことでしょう。余談ながら、これは中国ではなくて日本で考えられたものです。
 以上の4つの専門用語の使い方については、よく行くニューヨークの複数のレコード屋の年長のご主人などに直接聞いて教えてもらったことをまとめたものです。今回も何枚もレコードを買いましたが、レコードは枚数が増えると非常に重いので、日本へ持って帰るのが大変です。そのうちの4枚は、シュバイツァー博士の演奏によるバッハのパイプオルガン曲であり、その写真は私のホームページの別項『教会やレコードでパイプオルガンを聴く』に追加しましたので、ご参照ください。

★レコードプレイヤーのクラス分け

 筆者の独断と偏見から、本体のみの値段によっておおよそのクラス分けをすると次のようになります。
  ☆初級機(入門用):30万円以下(ダイレクトドライブ方式のオールインワンの箱型で
   プラスチックの上カバー付きでトーンアームを変更できないものが大部分。)
  ☆中級機:30万円~100万円(ベルトドライブ方式のセパレート型でトーンアームが
  付いていない本体のみでの市販が多い。自分好みのシステムに組み上げるタイプで、
  トーンアームやカートリッジなどの追加料金が本体価格とほぼ同じくらいになるのが
  標準的であり、そうしてシステムを組み上げると、最初から全て込みの初級機との
  実際の価格差は、上記よりも、はるかに大きい。以下も同様。)
  ☆上級機:100万円~1000万円(同上)
  ☆ハイエンド機:1000万円以上(同上)
【補足】ダイレクトドライブ方式は、構造が簡単で安価ですが、モーターの微弱な振動でもそのままダイレクトにターンテーブルに伝わり、さらにそれがカートリッジで拾われてレコード本来の音に好ましくない影響を与えるために、ハイクラスのレコードプレイヤーには採用されていません。

 一番安価なものでは、アンプとスピーカーを内蔵したオールインワンのもの(昔の『電蓄』と類似)が1万円くらいから買えます。次の写真に一例を示すように、ニューヨーク各所のレコード売り場には、そのような安価なレコードプレイヤーが各種たくさん売られており、試聴もできる店もあり、CD離れの若者に人気です。もちろんニューヨークには、ハイエンド・オーディオのショップもあり、見たこともないような超高級な各種装置がたくさん並んでいます。安価な店の客は若者ばかりで、シニア層には昔懐かしく、若者には新鮮で面白いビジュアルな装置に感じられているようです。店頭に並んでいる新品のレコードは、若者好みの曲がほとんどです。それに対して、中古レコード店では、クラシックやジャズが多いようです。次に示すのは、ニューヨーク市内に何軒もあるURBAN OUTFITTERSという店名で、主に若者好みの婦人服やアクセサリー類など、色んなものを売っている店の中のレコード売り場のコーナーの様子です。ニューヨークでは今、特に若者にレコードがとても人気で、本屋とかのあちこちの普通の店にも売っています。日本ではあり得ないことです。


ニューヨークの五番街にあるURBAN OUTFITTERSの店内の”Vinyl”売り場の様子
(安価な各種レコードプレイヤーが非常に多く展示販売されている)


 次に示すのは、ニューヨークで最も大きいと思われる何店舗もあるBARNES & NOBLE(『バンザンノーブル』と発音する)の五番街店の”Vinyl”売り場の様子です。ここには日本で見たことのないようなaudio-technicaの『電蓄』が、2個の外部スピーカー付きで$159.95で売っていました。アメリカ人の親友が言っておりましたが、こういうのをクリスマスプレゼントとして、親が子供にプレゼントすることもあるそうで、彼もそうしてとても喜ばれたとのことです。若者に人気があり、多くの若者はこのような装置で気軽にレコードを聴いています。ただ、スペックをよく見ると、大抵はそのまま簡単にUSBでデジタル音源として取り出せるようで、それをスマホにコピーして聴くというようなやり方をよくしているようです。
 ニューヨークでは、あちこちの普通の雑貨屋や本屋に新譜レコードやレコードプレイヤー売り場のコーナーがあって、ごく普通に売られており、お客も本などを買うのと同じような感覚で眺めたり買ったりしている様子は、日本ではちょっと考えられません。日本では、新譜レコードが店頭に並んでいるような店は大都会くらいしかなく、しかもそれを買うのは、かなりマニアックな年長者が多く、学生などの若者で買う人は、まずおりません。これが大きな違いです。


ニューヨークの五番街にある大きな本屋の”BARNES & BOBLE”の”Vinyl”売り場の様子
(若者が興味深そうに見ている → その後買いました)


 逆に超高価なレコードプレイヤーは天井知らずの価格で、私が把握している限りの上限は、なんと4000万円くらいもして、家が買えるほど高価なものまであります。これにふさわしいハイエンドのアンプやスピーカーと組み合わせて、総額1億円くらいのコンポを組むことも容易です。これは一般の人には全く信じられない値段だと思います。ハイレベルの機種は、世界中で現在たくさん市販されておりますが、こんなにハイレベルのものはレコード全盛の頃でも考えられなかった、あり得なかったことです。ニューヨークでは、SOHO (SOuth of HOuston)地区やNOHO (NOrth of HOuston)地区に、ハイレベルのオーディオショップがいくつかありますが、店内の撮影は厳しいです。今回ニューヨークの本屋で買った雑誌の”HIGH-END AUDIO”の最新版の写真を次に示します。これには、とても手を出せないような1千万円オーダーの超高級機が満載で、ちょっと頑張れば買えるようなレベルではなく、そんなのを買う予定も全くないので、自分が購入することを全く考えずに気楽に見ることができて楽しいです。買えない者にとっては、1千万円でも4千万円でも同じようなものです。しかし自分が買う場合の1万円と4万円の差ですと、実感として非常に大きいですが。 

上記のニューヨークの大きな本屋で買った『ハイエンド・オーディオ』の本
           左側:その本の表紙
           右側:適当に開いたページには3千万円以上もするスピーカーがずらり


★レコード再生時の最重要ポイント

 レコード盤に刻まれたミクロン単位の超微細な凸凹を針でなぞって、その振動をカートリッジで電気信号に変換し、MCカートリッジであればその電気信号が何千倍にも拡大されて、スピーカーから音として聞こえるようになります。従って、ごくわずかの電気的ノイズ物理的振動でも同じ比率で拡大されてスピーカーから聞こえるので、それらを入り口で可能な限り最小に抑えることが最も重要であり、そうしないと、ノイズや振動が本来のピュアな音楽信号に上乗せされた不自然な音になってしまい、本来の正しい音で再生できません。
 レコード盤に『反り』があると、超低周波の周期的ノイズとなりますが、耳でほとんど体感できない程度とはいえ、レコードが波打って回転しているのは、見た目もあまり好ましくありません。それを抑制するために、レコード盤の中央部分に『重り』を乗せて反りを矯正して回転・再生するための『ディスク・スタビライザー』などの名称の『重り』のアクセサリーが各種市販されており、重さも150g程度から900gくらいまで色々とあります。私が使っているものの例を次に示します。普通のレコードの場合は、反りはそんなにひどくはありませんので、耳でよく聴いても、その効果はほとんどわかりませんが、測定器で測定すれば、それなりの効果があるのがわかります。


愛用のディスク・スタビライザーの例で重さもかなり異なる
(実測値: 左から234g, 145g, 587g)


 電気的ノイズは、主に家庭のACラインから入り込みます。その対策法としては、ACラインを近付けないことです。そのためにACパワーパックで24Vとかの直流に変換してレコードプレイヤーに送り込むなどしている例があります。次に写真を示すような、ACラインからのノイズをカットするフィルター機能のある特別のRCAケーブルもあります。これはデンマーク製で非常に高価なものですが、ケーブルが太くて硬くて、実際にはかなり使いにくいものです。特にトーンアームのような華奢なものとの接続は、強度的にアンバランスです。アンプとかの重量物との接続なら問題ありませんが。その他にもシールドをうまくしたり、アースラインも適切に処理することが望まれます。無音の時にボリュームを上げると、ブーンといううなり音(ハム音)が明瞭に聞こえるようではダメですが、これについては後に詳しく述べます。

左: ACラインからのノイズをカットする特別のフィルター付きの大げさで硬いRCAケーブル
右: 単なるRCAケーブルとしては、この程度のものの方がはるかに使いやすい(銀線)


 振動は、実に様々ですが、特によくあり、意外と気付かないのは、スピーカーの近くにレコードプレイヤーを置いて、大きな音をスピーカーから出すと、その振動がレコード盤やカートリッジ・トーンアームに直接伝わり、ハウリング現象を起こして、わずかにリバーブが掛かっているような音になりますが、よほどひどい場合以外は、気付かないことが多いと思います。安価なものによくあるプラスチックの箱に入ったレコードプレイヤーのシャーシーを、げん骨でたたくと、ポコポコと軽い音がよく響くようなのは問題です。試しにやってみると、その音が、そのままスピーカーから出て来ます。ソリッドな重量級のものでは、そのようなことは起こりません。
 振動対策としては、レコードプレイヤーの台座を大理石などのボードにして、さらにインシュレーターを介して、その上にレコードプレイヤーを置くなども特に下からの振動対策に効果があります。また、上位機では、レコードプレイヤーの脚やレコードを乗せる回転円盤(これを中・上級機ではプラッターと呼びます)をマグネットの磁力の反発で浮かせるものまであります。こうすることで、床からの振動を物理的にシャットアウトできます。これらは、下に示す実例でなされています。
 しかしながら常に言っておりますように、音楽は生が一番であり、臨場感や迫力が再生音楽とは全く違います。いくら上等のオーディオ装置でも生には絶対に勝てませんので、装置への投資はそこそこで止めて、予算を生演奏を聴きに行くのに回して、海外の有名なコンサートホールなどへ生を聴きに行くべきです。この原稿を書き始める直前には、日本でもCDが売られているThe Bad Plusトリオの年越しジャズライブをニューヨークのVillage Vanguardで今回も聴きましたが、いつものことながら、もの凄い迫力で、5メートルくらい先のベースやドラムスの音が下腹に響きました。その時の写真を次に示します。


Village Vangurdの外観と2015年の年越しライブで新年を迎えた瞬間
(カップルは抱き合いキスして新年を祝っている)


 さらに、その少し前には、やはり毎年恒例のSaint Patrick’s Cathedralでパイプオルガンを3日間にわたって聴きました。これは物凄い迫力で、大聖堂の内部全体が鳴り響き、まさに天鳴地動の音の大洪水の中に身を置いて、パイプオルガン曲に浸りきり、至福の時を過ごしました。その時の写真を次に示します。またここで新しいCDを買いました。ピアノやヴァイオリン程度であれば、上等のオーディオシステムなら、家庭でも生と区別が付かないくらいの音で再生することが可能ですが、大きな教会のパイプオルガンのあのド迫力や物凄いスケール感などを出すのは、家庭では絶対に無理です。それにもかかわらず、私はそれを承知で少しでも生のパイプオルガンの音に近付けようと、無駄でバカな努力をしています。とにかくパイプオルガンは、何かと最高の楽器だと思います。

2015年のSt. Patrick’s Cathedralでのクリスマス・ミサとその荘厳な音色のパイプオルガン


 さらに新年になってからは、ニューヨーク・フィルのコンサートも聴きました。日系二世の音楽監督Alan Gilbertの指揮は、タクトを持たずに大きな体で、まるで踊りを踊っているような優美なものであり、ニューヨーク・フィルの素晴らしい弦の響きと共にうっとり聴き惚れました。今回は、SibeliusとR. StraussとWagnerの曲が演奏されましたが、今回は演奏者の全体像がよく見えるようにと、最前部の最上部のボックス席(安価です)をわざわざ確保して上から舞台を見下ろしていましたのでわかったことですが(虫の知らせか、この席にして良かったです)、バス-バリトンのEric Owensの譜面で驚くことがありました。すなわち、譜面台に置いたのは通常のような紙に印刷した楽譜ではなくて、なんとi-Padのようなもので、楽譜のページをめくるのは、液晶パネルにタッチするだけの操作でした。これならば確実に瞬時にして1ページずつめくれて便利なので、今後は紙の楽譜からこのようなものに変わるように思います。時代の流れですねー。特に指揮者は、単一パートの演奏者と違って頻繁に譜面をめくらないといけないので、非常に楽になると思います。写真撮影は、演奏中はダメですが、演奏の前後ならば許可されていますので(カメラ持参の人には、そのようなことを書いたカードを入場時にくれます)、そのような時に撮影した写真を次に示します。今回も年末~年始の3週間の間には、カーネギーホールでは残念ながらコンサートはありませんでした。


ニューヨーク・フィルの本拠地の外観と今後を暗示する液晶パネルの譜面(印)


 以上の例のように生の音楽を聴くと、たとえレコードでも、ましてやCDなどのデジタルでは聴く気がしません。しかし、生の代わりに聴かざるを得ない時には、いつも再生音楽を聴きますが。ただし、ハイレゾは、少し前に研究用に機材も実に色々と揃えて、かなり深く研究し、ホームページにも長文で色々と書きましたが、やはりハイレゾには趣味のオーディオとしての魅力がなく、全く聴く気がしません。現時点では本屋のオーディオ本のコーナーへ行くと、見る気もしないハイレゾの本が何冊も並んでいて邪魔ですが、少し前に比べると明らかに減少してきており、あと3年以内に忘れ去られてしまうと予言します。ただし、スマホで聴く普通のポータブル・オーディオは、不滅です。うちの学生たちの様子を見ていると、安価に(あるいは無料で)ダウンロード(コピー)した普通のデジタル音源を、高級でないイヤホンで歩きながら雑音だらけの所でも平気でスマホで聞いており、ハイレゾなんて全く興味ないそうです。
 いつも言っていることですが、再生音楽の場合でも生と同じくらいの音量で聴くことが理想ですが、現在の一般的な日本の住宅事情では、隣近所を全く気にせずにガンガン鳴らせるようなことはほとんどなく、隣の家まで1kmも離れているようなド田舎か防音工事を完璧にしたリスニングルームのある特別の家しかダメでしょう。オーディオの趣味の上限は、結局のところ最終的には家(リスニングルーム)で決まり、隣の部屋や家を気にして小さい音で聴いているだけなら、そんなに凄い装置を持っていてもあまり意味がありません。そうなると、代償としてヘッドホンでガンガン鳴らす手がありますが、それをし続けますと『高音性難聴』になり、自らで自分の可聴上限周波数を加齢による自然低下よりもさらに早く、わざわざ下げていることになり、2万ヘルツ以上の再生を謳っているハイレゾなどとは逆の世界へ急速に突入することになり、オーディオマニアにはふさわしくありません。さらに各楽器の定位も前方ではなくて頭の中に広がり、とても変で不自然です。やはり再生音楽はスピーカーで聴くのが一番です。別項にも書いておりますように、実に多数の各年齢層の人たちに依頼して、可聴上限周波数を実測したところ、シニア層では、たとえヘッドホンで聴いても可聴上限周波数はせいぜい15000Hzくらいまでであり、前方のスピーカーからの音になると、超高音の指向性の関係などから10000Hz程度までしか聞こえません。これはいくら音圧を上げてもダメです。私も超高音は聞こえないので音圧を最大限上げてしばらく実験していたところ、スピーカーから煙が出できて、ヴォイスコイルを焼き切った苦い経験があります。上記のシニア層の可聴上限周波数を信じられないかもわかりませんが、嘘だと思ったら測定してみてください。10000Hz以上が聞こえないなんて、オーディオマニアとして非常に大きなショックを受けること間違いありません。その程度の耳で『さすがハイレゾ、高音がよく延びてますねー!』とかの評価している例を多々見かけますが、笑止千万です。いくら何をしようと、成人では15000Hzくらいまでしか聞こえず、20000Hzまで聞こえる人は確実に皆無なのです。 


★中級機の実例

 性能・スペックとルックスの両面がとても素晴らしくて、中級レコードプレイヤーにあるべき姿をほぼ満たしている実例を次に示します。この本体はアームレス機であり、自分好みのトーンアームを2本まで付けることができますので、それ用の別売りのアームベース(トーンアームをレコードプレイヤー本体に固定するための台座で1個が約5万円と結構な値段)を購入してデザイン的に最も好きなトーンアームを2本付けています。両者酷似していますが、同シリーズの異なるモデルです。さらにこのシリーズのトーンアームをもう1本持っており、別の中級レコードプレイヤーに付けて使っています。これらはUltimate Industrial Designであり、Mechanical Beautyの極致のもので、これらの姿を見ているだけでもメカ好きにはたまりません。これらはトーンアームでは、今までで最高のデザインだと思います。オーディオは、音が良いのはもちろんのこと、装置各部やケーブルなどのルックスもとても重要であり、高性能な高級品を見て安心し、満足しながら聴くことも大切な要素です。聴覚と視覚の両方で楽しむのがアナログ・オーディオなのです。これにハマってしまったら、もう泥沼で、より上位の色んなものが次々と、いくつも欲しくなり、もうエンドレスで、Bankruptも近いことでしょう!

 左: 性能もルックスも素晴らしい愛用の中級レコードプレイヤー本体
 右: モーターへのパワーサプライと回転数制御器 (DC 24V駆動)
    (いかにも精密機器という雰囲気の本体はメカ好きには見ているだけでもたまらない!)


次は上の写真の各部分の解説

 実際には組み合わせは折に触れて色々と変更しますが、太字のアンダーラインの部分は、特にノイズ対策に効果があることを示します。とにかくこのシステムは何かと素晴らしいものです。
① カートリッジ1 (今付いているのはアメリカ製で明るくパンチのある音質なので古くからジャズ用として非常に定評があるもの。これ以外にも各種のものを使っている。)
② トーンアーム1 (これはイギリス製でデザインも最高。次の写真参照。)

トーンアーム1の特にこのメカメカした部分がたまりません! デザイン最高です!


③ アーム・ベース1 (トーンアームをシャーシーに固定するのに必要なこのアーム専用の台座で、金属の塊でかなり重くて防振効果大。下記の⑦も同様。)
④ カートリッジ2 (今付いているのはデンマーク製で重厚な音質なので古くからクラシック音楽ファンに愛用者が非常に多い。確かにクラシック向きの良い音がしますが、適正針圧が4gと非常に重いので、レコード盤のためには良くない。これ以外にも各種のものを使っています。カートリッジによって音はかなり変わるので、曲のジャンルやその時の気分で色々と変える。)
⑤ トーンアーム2 (これもイギリス製でデザインも最高)
⑥ カウンター・バランス(取り付けてあるカートリッジの自重が重いのでこれの追加が必要)
⑦ アーム・ベース2 (トーンアームをシャーシーに固定するのに必要な各アーム専用の台座)
⑧ レコード・クランプ(真鍮製で標準付属品:レコードをプラッター表面のシートに押し付けて音を良くするためのもの。ディスク・スタビライザーなどともいう。)
⑨ 欠番 
⑩ プラッター・シート(レコードとプラッターを密着させるための柔らかいシートで、レコードの下にあり、写真には写っていない。)
⑪ プラッター(Platter:レコードを乗せて回転する円盤で、振動を防ぐために重量級のもの。)
プラッター・シャフト(中心軸)は磁力の反発力でわずかに浮いており振動のカットに効大
⑫ シンクロナイズド・モーター(DC24V駆動の超静寂品であり、回転音も振動も全く感じない優良品で、レコードプレイヤー本体とは完全に独立しており、防振インシュレーターの上に乗っていて、次に述べるベルトドライブと併せて振動対策は最高。)
⑬ シリコン糸ベルト(直径が1mmくらいの非常に細いのが3本も有るのは共鳴を防ぐため。この極細シリコン糸ベルトによるベルトドライブにより、モーターのごくわずかな振動でもプラッターに伝わらないようになっている。立ち上げの最初にこのベルト3本を掛けるのは、予想に反して、かなり厄介な作業で、なかなかうまく掛からなかった。)
⑭ シャーシー(本体の台座のことで共振を防ぐためにアルミ・黒色アクリル・アルミの三層サンドイッチ構造になっていて重量級のもの。)
⑮ デジタル回転数計(9Vのバッテリーで駆動)。33.3回転の時のその表示部の写真を次に示します。ここでは33.333と表示されている。最下位の数値は、よく変化する。



⑯ 前部2本と後部1本の脚(本体と直結しておらず、磁力の反発力でわずかに浮いていることで下からの振動をカットしている。)
各脚の下のインシュレーター(下からの振動のカットに効果がある)
⑱ イタリア産のオーディオ用天然石材トラバーチンの台座で、そのサイズは55cm x 50cm x 3cmもあり、かなりのヘビー級で防振効果大。以上のシステムの総重量は約40kgもあり、かなり重い。重ければ重いほど良いということでもないが、少なくとも軽いものはダメ。
⑲ 完全別筐体で独立したモーターへのパワーサプライ(DC 24V)兼回転速度コントロール装置。独立していてDC駆動なので電気的なノイズの対策に効果あり

◎以上の他に各種フォノケーブルを使用するが、ACラインなどからのノイズをカットする機能を有するフォノケーブルは、すでに上に示してあり、その他の各種高性能ケーブル(バランス伝送用のXLRケーブルなど)は、私のホームページの別項に、多数掲載してあるので参照されたい。かなり高級な各種ケーブルを使用しており、これらはノイズ対策に非常に効果あり。子供のころからエレクトロニクス工作好きなので、トーンアームの出力部のコネクターをハイレベルなものと交換している(これには半田付けの作業が必要)。そして、各種ケーブルを色々と接続し、それぞれの比較研究もしている。

【補足】以上のように、この実例の写真では、本体にトーンアーム2本、カートリッジ2個を自分好みのものを追加して使用していますが、各社からそれぞれ各種・多数市販されており、ハイレベルのものを揃えると、本体以上のかなりの金額になります。カートリッジは、MC, MM, MIの各型などが、いくつもあり、その時の気分で色々と変えています。このように、その時の自分の気分で好みの音になるように、その都度システムを自由に構築できるのはレコード再生(アナログ・オーディオ)のみのです。さらにレコードプレイヤーを出た音の電気信号は、昇圧トランスやフォノイコライザーを経てアンプに送りこまれて、スピーカーから音として聞えるようになりますが、昇圧トランスやフォノイコライザーもいくつか変えてみて、音の違いを楽しむこともよくします。ケーブルも実に色々とあり、同様です。アナログの世界では、アクセサリー類も実に多彩です。とにかくアナログ・オーディオでは無限の組み合わせが可能で、その全てを試すことは予算的にも時間的にも不可能であり、『アナログ・オーディオは永遠です!』 それに反して、たとえばCDプレイヤーを買った場合は、自分で何も変更できません。メーカーのお仕着せの装置のままで聴くだけになり、自主性が出せなくて面白くありません。それに反して、レコード再生芸術は最高の楽しみです。予算に応じて、いろんな組み合わせが可能であり、こんなに奥の深い素晴らしい趣味は、他にありません。やればやるほど、深い泥沼へハマり込み、もはや抜け出ることはできないブラックホールのようなものです。

★無音レコードを再生してレコードプレイヤー自身の静寂度(ノイズの程度)を調べる実験

 音楽が全く入っていないグルーブ(溝)のみ刻まれているアメリカ製の特殊な無音の30cm LPレコードを、苦労の末にやっと入手することができましたので、それを普通の音楽が入っているレコードと同様にして最初の5分間だけ再生し、周波数アナライザで分析して、広範囲の周波数帯域で、どの程度静寂かを調べてみました。すなわち、それがレコードプレイヤーのバックグラウンドであり、いかなるレコードを再生しても、常にこの無意味で有害なノイズが、全ての音楽信号に上乗せされて出力されることになります。ただし、この無音レコード独自のノイズもごくわずかにあり、それは他のレコードを聴く時には出ないのは当然ですが。理想はどの周波数においてもノイズレベルがゼロであることですが、果たして結果はどうなったでしょうか。まずは上記の中級機の結果を次に示します。もちろん、このレコードを再生しても、スピーカーからは全く音はしませんし、ほぼ未使用状態なのでスクラッチノイズも全くありません。その無音レコードを次に示します。こんな変なものが世の中にはあるんですねー!

アメリカ製の特殊な両面無音の30cm LPレコードのジャケットと本体
(ジャケットはほとんど白紙で無音レコードにふさわしい)


上記のレコードプレイヤーで無音レコードの最初の5分間を再生した時の積算周波数分布


 上記のグラフはSHURE V15 TYPEⅢのカートリッジで無音レコードの最初の5分間を再生した時の結果です。上記のACラインノイズフィルター付きのRCAケーブルや、次に写真を示す本体が3kgもあり、ケーブルも凄くて(直径2cm、長さ155cm、重量1kg)、物凄い超ド級のACクリーン電源タップも使ってみましたが、上記の周波数パターンに何ら変化はなく、このわずかなノイズはACライン由来のものではないように思われます。いずれにしろ、これは全く気にしなくてもよい全帯域において-97dB以下の超低レベルのノイズです。このパターンでもわかりますし、スピーカーからも全く音がしないので、この無音レコードには、やはり音が全く入っていないことがわかります。

総重量が約4㎏もある超ド級のAC Power Conditioner (アメリカ製のクリーン電源装置)


 次に、極端な比較のために、上記の約1/100くらいの価格で非常に安価な超入門機でも同様に測定してみました。この機種は研究用の最下位機として持っているものであり、普段これで音楽を聴いているわけではありません。両者の測定で、周波数アナライザへの入力レベルは同一にしました。両者MMカートリッジですし、カートリッジからの出力をそのまま測定しております。無音レコードなので、フォノイコライザーも関係ありません。その非常に安価なレコードプレイヤーの写真と、周波数分析結果を次に示します。この機種は超安価なので、カートリッジやトーンアームは固定式であり、いずれも交換はできません。


超入門機で無音レコードを使ってバックグラウンドを測定中の様子


上の写真の超入門用機で無音レコードの最初の5分間を再生した時の積算周波数分布


 両者の積算周波数分布のスペクトルを比較すると、その差は歴然であり、中級機のバックグラウンドは、色々と試行錯誤で毎回測定して最も低くなるように追い込んだ苦労の成果であり、全帯域において特別に低く、このレベルならば何ら問題ありませんが、超入門機では予想通りに非常に悪く、音楽入りのレコードを再生すれば、このバックグラウンド(雑音)が音楽の波形に常に加算されて音がかなり悪くなりますので、この結果を見ると、音楽鑑賞用にこんなレコードプレイヤーを使う気はしません。このパターンをよく見ると、60Hzのところに明らかにピークがあり、その2倍の120Hzにもありますが、これは商用電源 (100V, 当地は60Hz) に基づくものの可能性があります。しかし、上記のACラインからのノイズをカットする特別のフィルター付きの大げさで硬いRCAケーブルとやはり上記の超ド級のAC Power Conditionerを併用して同様の測定を行ってみましたが、パターン全体にほとんど変化はありませんでしたので、そのようなものでは除去できない種類の厄介なノイズであることがわかりました。やはり、この機種はあくまでも最低レベルの機種としての研究用です。この結果からもわかるように、レコードプレイヤー自身の性能は非常に重要です。しかし、もしもバックグラウンド・ノイズを完全にゼロにしたレコードプレイヤー・システムでレコードを聴いたとしたら、まるでCDを聴いているようで面白くないかもわかりません。もっとも、いつもレコードばかり聴き続けていると、なぜかたまにはCDも聴いてみようかなと思うことがあります。特に本当に仕事が忙しい時のバックミュージックに聴くには、操作がとても楽なCDは重宝します。
 少しでも良い音でレコード音楽を楽しみたいというだけの単純な音楽鑑賞のみの趣味のやり方であれば、安物をたくさん持っていても無駄で邪魔で意味がなく、ハイレベルのもの1台だけでよいのですが、私は研究用ということもあり、現在のところ7台のピンからキリまでの各種レコードプレイヤーを持っており(カートリッジは10個以上)、それらの測定結果を比較すると、やはり値段にほぼ反比例してバックグラウンド・ノイズは低くなる傾向があります、このバックグラウンド・ノイズを可能な限り低くすることが非常に重要なのに、これには無関心の人も結構おられるようです。耳で聴くだけであれば、よほどひどくない限り普通の人の耳ではわからないかと思いますが、測定器で分析すれば、カートリッジやケーブルなどを色々と変えたり、アースの取り方などを変えると、それぞれの場合における比較での微妙な差でも一目瞭然、はっきりとわかり驚きの連続です。こうして比較的容易に、ノイズを極限まで低減したシステムの構築が可能となります。そのようにして色々とトライしてきた結果、特に重要な結論として以下のことが言えます。

➀ダイレクトドライブ方式の場合は、モーターの微振動が直接ターンテーブルに伝わり、それをカートリッジがそのまま拾うので、このノイズは低減することが不可能であり、どうしてもこれを避けたければ、ベルトドライブ方式の機種に変える必要があります。さらにその場合、モーターと本体が完全に分離していることが必要ですし、さらにターンテーブルが磁力でフローティングされてないと、軸受け部分のベアリングの転がりノイズが出ますが、このノイズは何をしても除去することができないので要注意です。
②フォノケーブルの種類(XLR, RCA, 材質、長さ、太さなど)、それの配線の仕方、アースの取り方、近接した別の各種ケーブルとの関係(位置関係・絡み具合など)が非常に重要です。長さは、なるべく短くすることが望ましいです。これらによってバックグラウンドのパターンは、かなり変わることがわかりましたので、ケーブルには細心の注意を払わないと行けません。
③とにかくレコード音楽の再生で最も重要なことは、最初の段階(レコードプレイヤー)で、ノイズを可能な限り低減することです。そうしないと、その後にいくらハイレベルのアンプやスピーカーを接続しようとも、最初の段階のノイズがそのままアンプに送られ、それが忠実に大きく拡大されてスピーカーから再生されてしまうからです。そういう意味では、アンプの重要性は、レコードプレイヤーと比べればずっと低い位置付けとなります。

★レコードプレイヤーのノイズ低下法のまとめ

 極限まで低ノイズ化して、ベストな状態で快適に安心してレコードを聴くために、レコードプレイヤーの望ましい理想像の要点を以下にまとめておきます。
 ◆モーターと本体(シャーシー)は完全に分離していて、糸(又はベルト)ドライブであること。
 ◆本体の脚やターンテーブルは、磁力で浮いていて、本体と直結していないこと。
 ◆本体とターンテーブルは、重くて硬くて頑丈な材質でできていること。
 ◆重くて安定したオーディオ用の防振台座の上に乗っていること。
 ◆フォノケーブルは、上質の材質でできている太くて長すぎないものにすること。特にMCカー
  トリッジを使う場合は、ぜひともバランス出力・接続をすること。【注: 下記】
 ◆アース線は、最も適切な接続の仕方・配線をすること。『ブーン』という連続音のノイズ(これを専門用語で ”Hum Noise” と言い、”Hum” は蜂の羽音のことであり、余談ながら食べるハムは“Ham”と書く)がする場合は、アースの取り方に問題がある。適切にアースを取っても、無音時にボリュームを上げるとまだ少し『ブーン』音が残っていて気になる時は、さらにアース線を水道管にも接続すると、いくらボリュームを上げても、その『ブーン』音は見事に完全に消え去る。これでピアニシモや無音部でも全く気にならず、まるでデジタル音楽を聴いている時のような無音時の静けさ(ノイズ皆無)になる! これのみ測定器がなくても、簡単に自分の耳だけでやれる。
 とにかく、レコード音楽再生においては、アースの取り方とオーディオケーブルのクオリティは、特別重要!!
”Bottom Neck” に注意! レコードプレイヤーだけでも少なくとも10項目くらいの重要なチェックポイントがあり、そのうちの1項目だけでも手抜きをすると、それが全体に影響を及ぼすので好ましくない。このことはオーディオ全般に言えることで、入り口から出口(スピーカー)までのTotal Balanceが非常に重要であり、一点豪華主義はあまり意味がない。
◆レコードプレイヤー以降のことではあるが、ノイズの点だけで言えば、真空管アンプよりもソリッドステートアンプの方がベターであるが、真空管アンプにはそれを凌駕するだけの利点や魅力があり、マニアには真空管アンプは非常に愛用されている。特にレコード愛好家には。

【注】MCカートリッジの発電はコイルの起電力によるものであり、そのコイルの両端には逆相 (プッシュプル)の電気信号が発生し、左右チャンネルともHot (+) とCold (-) の2本の出力線があり、さらに別途GND (Earth) 線がある。このGND線は左右の音声信号線とは完全に独立していて、バランス接続が可能な状態になっている。そのためにバランス伝送でフォノアンプまで伝送するのが、最も伝送ロスの少ない方法である。MCカートリッジの出力電圧は0.2mV程度と非常に微弱なのでノイズの影響を受けやすく(MMカートリッジだと5mVくらいある)、低ノイズ化にはバランス接続がよい。RCAケーブルは、すべてCold (-)とGND (Earth)が共通のアンバランス仕様であるが、レコードプレイヤーに付いているRCA出力端子は、グラウンドに落ちていないので、バランスケーブルを接続すれば、そのままでバランス伝送が可能となるのに、ほとんどの場合バランス伝送にはされていない。その理由は簡単で、それを受けるための機器が用意されていないからである。バランス伝送にすれば、情報量がより多くなり、SN比が大きく向上する。バランス伝送に関する詳細については、私のホームページの中にある『レコード音楽を真空管増幅・バランス伝送で聴く』を参照されたい。
 この原稿の脱稿直前の2月中旬に、『季刊・アナログ特別増刊レコードアクセサリー大全2016 音元出版』が発刊になり、その中でオーディオ評論家の炭山アキラ氏が次のようなことを書いておられるので紹介しておく→『実際に初めてバランス増幅のアナログ・サウンドを聴いた時の感激を何と表現したらよいだろう。音楽がガシッと安定し、壮大な石造りの大伽藍が眼前に迫るような迫力に圧倒されたものだった。しかし、バランス増幅にはフォノイコライザーはもちろん、昇圧トランスなどにも対応の製品が必要となり、口で言うほど簡単に薦められるものでもない。』(以上、原文のまま)
  なお、上記の私の愛用の中級レコードプレイヤーでは、バランス入出力形式のフォノボックス(MC出力ステップアップ & イコライザー機能内蔵)との接続には、下記のような特製のフォノケーブルを使用してバランス接続をしている。このRCAコネクター部分のみを見れば、一見したところでは普通のRCAケーブル(1芯同軸)のようにも見えるが、これは、ノイズ遮断効果の高い0.32φ無酸素銅 (OFC) 線の7本撚り2芯シールドバランスケーブルで、コネクター部分はロジウムメッキされており、かなりハイレベルのものである。もちろんその反対側にはXLR (キャノン)コネクターのオスが付いており、これを次の写真のようにしてフォノボックスのバランス入力端子に接続する。RCAからXLRに変換する際、2芯シールドケーブルでバランス伝送を行うためにシールド線をまとめる特殊な構造のボックスがケーブルの途中に付いている(下の左の写真の赤い矢印の部分)。

   左の写真:市販の高級バランス・フォノケーブル (RCA → XLR)
   中央の写真: トーンアーム下部の出力端子とバランス・フォノケーブルの接続部分
      (トーンアーム下部の出力端子は金メッキのハイレベルなものに自分で交換ずみ)
   右の写真: バランス・フォノケーブルをフォノボックスとバランス接続している様子


さらに、トーンアームからのMCフォノ出力をステップアップトランスに接続して増幅し、その出力をアンプのPHONO入力端子に接続してイコライズする場合は、次のような特注の実に素晴らしいMCステップアップトランスなどを使用するやり方もしている。とにかく、超クレイジーなオーディオマニアなので、余計なことを色々とトライして試してみたいのです。
この世界は、たとえいくらお金があっても・時間があったとしても底なし沼で、終点がありません。Vinyl-reproducing technology is improving eternally! ですから。

 左の写真: もう一方のトーンアーム下部の出力端子と上級のRCAケーブルの接続部分
   (このトーンアーム下部の出力端子も金メッキのハイレベルなものに自分で交換ずみ)
 右の写真: 私の名前入り(印)の特注のMC昇圧トランスでルックスも非常に素晴らしい!
         (入力2系統・出力1系統で昇圧比は14dB, 20dB, 26dB の3段階)

 それでは、可能な限りバックグラウンドを低くしたレコードプレイヤー・システムを構築して、ノイズ・フリーの快適なレコード再生をお楽しみ下さい。
 私は多方面において実に色んなことをやっていて、何かと大変なのですが、私のホームページの内容も今後さらにもっとレベルアップしていきます。


 以上の原稿は、2015年12月下旬から2016年1月上旬までの丸3週間にわたって、ニューヨーク滞在中に構想を練り、さらに原稿の主要部分をほぼ書き終えてから帰国して、写真の追加や文章の最終仕上げをして完成させたものです。多くの部分がwritten in New York Cityであり、あちこちにニューヨークの香りが漂っているのではないかと思います。さらに次の写真で香りを強めます。


【付録】今回ニューヨークで撮影した大量の写真の中から4枚だけ選んで次に展示します。

Christmas Dinner at “Tavern on the Green”/ Vacuum Tube Amplifier(300B & 845) for Sale


  Newly Built “One World Tower”  Sky View from “One World Observatory”


 
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